子供に歯科矯正は必要ない?小児矯正のメリットとリスクを解説!
「まだ乳歯が残っているのに、矯正する必要はあるの?」
「子供の歯並びが気になるけど、矯正は怖い」
「矯正は何歳から始めるのがベスト?」
こんな疑問を抱えている親御さんも多いのではないでしょうか?なるべく早い段階で治療したいところですが、乳歯が残っている子供が矯正を行えるのでしょうか。
結論ですが、お子様の歯並びが悪い場合、子供の時期から矯正治療を始めることが望ましいです。
当記事では、
- 子供のうちに矯正した方が良い7つの理由
- 小児矯正のリスクとデメリット
- 小児矯正が必要になるケース
について解説していきます。
子供のうちに矯正した方が良い7つの理由
一般的に小児矯正の適齢期は6~10歳頃と言われています。全ての歯が大人の歯に生え変わる前、つまり子供のうちに矯正治療を始めるのが理想的なのです。
では、なぜ子供のうちに矯正した方が良いのでしょうか?その理由を解説します。
1.抜歯することなく治療できる
大人になってから矯正を行う場合、歯を綺麗に並べるスペースを作るために「抜歯」が必要になるケースが多いです。
一方、子供のうちに矯正をすれば、顎の成長を促してスペースを作れるため、抜歯することなく矯正できる可能性が高くなります。
2.骨の成長を利用した治療が行える
子供のうちは骨が発育中のため、骨の成長を利用した矯正を行えます。歯並びのバランスを整えたり、あごや骨を正しい方向に発達させやすく、矯正治療を進めやすいといったメリットがあります。
3.顎の成長を正しい位置に促せる
子供のうちに矯正を行うことで、受け口や出っ歯など、これ以上歯並びが悪くなるのを防止できます。
また、乳歯(子供の歯)が生えているうちに治療を行えば、永久歯(おとなの歯)が正しい位置に生えてくるように導くこともできます。
4.むし歯や歯周病の予防に繋がる
歯並びを整えることで、歯ブラシの毛先が届きやすくなり、食べかすや汚れなどの磨き残しが減ります。その結果、むし歯や歯周病をはじめとした、口腔内のトラブルを予防できます。
5.コンプレックスを早期に解決できる
思春期から大人になるにつれて、口元の見た目を気にする回数も増えていきます。
子供のうちに矯正を行い、美しい歯並びを手に入れることで、思春期や大人になった時に口元の見た目で悩むことがありません。
子供の時から矯正して早めに対処することで、コンプレックスの解消に繋がります。
6.顔や顎のゆがみを軽減できる
歯並びが悪いと、噛み合わせが悪くなったり、片方の歯で噛む癖が付いてしまいます。結果、顔や顎のゆがみや変形に繋がる事もあります。
矯正を行うことで、噛み合わせを正しい位置に戻して顔のゆがみを軽減できます。
7.大人になってからの治療期間が短くなる
子供のうちに歯を正常な位置に戻すことができれば、大人になってからの矯正が短期間で終わります。
また、状態によっては大人になってから矯正を行わずに済むケースもあります。
特に、反対咬合(受け口)は、大人になってから治療する場合手術を伴うことが多いですが、子供のうちから治療しておけば手術を回避できることもあります。
小児矯正のリスクとデメリットは?
ここまで、子供のうちに矯正した方が良い理由をお伝えしてきました。しかし、その一方で子供の矯正(小児矯正)にはリスクとデメリットも存在します。
分かりやすく解説しますので、ご参考にしてください。
子供の矯正は治療期間が長い
子供の矯正に掛かる期間はやや長いです。一般的には1~3年、歯並びの状態によっては4年掛かることも。
また、経過観察や定期的なメンテンナンスも必要になるため、根気よく治療に向き合う必要があります。
関連記事:子どもの矯正でかかる診療時間・治療期間はどれくらい?
お子様ご本人の理解が必要
矯正は短期間で終わるような治療ではありませんし、矯正器具を装着した時には違和感もあります。
だからこそ、お子様本人に矯正の必要性を理解してもらい、お子様が納得した上で治療を行っていく必要があります。
歯並びが戻ってしまうケースもある
矯正治療を終えた後は「保定期間」に移ります。ここでは、保定装置を装着して後戻りを防ぎます。
しかし、「矯正したから多少外しても問題ないだろう」と装着を怠ると、歯並びが戻ってしまうケースがあります。
矯正期間中はむし歯になりやすい
子供は甘いお菓子が好きな上に歯磨きの技術も未熟です。
矯正装置を付けると食べカスが残りやすくなるため、ケアを怠ると虫歯になりやすくなります。
正しいブラッシングの指導を行い、歯磨きする時は親がしっかり仕上げをしてあげましょう。
小児矯正が必要なケースとは?
ここからは、小児矯正が必要なケースについて説明します。以下の状態に当てはまる場合は、矯正治療を行い、お子様の歯並びを改善することが望ましいです。
反対咬合(受け口/しゃくれ)
歯を噛み合わせた時、舌の前歯が上の前歯よりも前に出ている状態のことです。
- 見た目のコンプレックスに繋がる
- サ行やタ行の発音がしづらくなる
- 顎関節症や不定愁訴の原因になる
開咬(前歯の間に隙間がある状態)
前歯を噛み合わせた時に隙間ができてしまう、前歯がかみ合わないといった状態のことです。
- 前歯で食べ物を噛むことが出来ない
- サ行やタ行の発音がしづらくなる
- 食べ物をこぼしやすくなる
上顎前突(出っ歯)
上の歯が前に出ている状態のことです。
- 見た目のコンプレックスに繋がる
- 口を閉じづらい、口呼吸になる
- むし歯や歯槽膿漏になりやすい
交叉咬合(上下の噛み合わせに問題がある状態)
本来、上の歯が下の歯を覆うようになっていますが、この噛み合わせが逆になっている状態のことです。
- 顔のゆがみや顎への負担に繋がる
- 噛み合わせが悪くなる
- 顎関節症、肩こり、頭痛の原因になる
1つでも当てはまった場合は、矯正治療が必要になる場合があります。
ただし、お子様の歯並びの状態によっては矯正が不要なケースもありますので、一度歯科医院で診てもらうことをオススメします。
まとめ
ここまで、小児矯正の必要性と、子供のうちに矯正した方が良い理由についてお伝えしてきました。
最後に、子供のうちに矯正を行うメリットをまとめます。
- 抜歯することなく治療できる
- 骨の成長を利用した治療が行える
- 顎の成長を正しい位置に促せる
- むし歯や歯周病の予防に繋がる
- 見た目の悩みを解決できる
- 顔や顎のゆがみを軽減できる
- 大人になってからの治療期間が短くなる
一方で、小児矯正には以下のリスクとデメリットがあることも忘れてはいけません。
- 矯正中は虫歯になりやすい
- 治療期間が長い
- 歯並びが戻るケースもある
- お子様本人の理解が必要
大切なのは、一度歯医者さんでお子様の歯の状態を診てもらい、「本当に矯正が必要かどうか?」を医師の目でジャッジしてもらう事です。
お子様の矯正でお悩みの方は、当院の矯正治療もご利用ください。