銀歯が金属アレルギーの原因に?症状と治療法は?
口内炎、肩こり、頭痛などの不定愁訴でお悩みではありませんか?
もしかすると、お口の中の銀歯が金属アレルギーを引き起こしている可能性があります。
「皮膚科に長年通っているのに治らない」
「漢方や食事療法を試したけど改善しない」
などのお悩みがある方は、銀歯を除去し、金属を使用しない詰め物に変える事で症状が改善するケースもあります。
当ページでは、銀歯と金属アレルギーの関係や具体的な解決方法についてご説明します。
銀歯の金属アレルギーで起こる症状
銀歯の金属アレルギーは、お口の中だけでなく、全身の皮膚や頭皮、自律神経など様々な所に影響を及ぼします。
一例として、以下のような症状が挙げられます。
顔や全身の湿疹(赤いポツポツ)、脱毛症、口内炎、舌の痛み、手のひらの水ぶくれ、めまいや立ち眩み、肩こり、頭痛、味覚障害、舌がただれる、全身のかゆみ、掌蹠膿疱症(※)
※掌蹠膿疱症とは…手のひらや足の裏に小さな水ぶくれができる症状のことを言います。中には、すねや肘、ひざ等にも症状が現れたり、爪の荒れや変形に繋がることもあります。
銀歯が金属アレルギーを引き起こす仕組み
簡単に言えば、銀歯の金属が唾液に触れることでイオン化し、たんぱく質と結びつくことで金属アレルギーを引き起こします。
銀歯の正式名称は「歯科鋳造用金銀パラジウム合金」と言います。その名の通り、金、銀、パラジウム、銅など金属を主成分として作られています。
特に、銀歯の中に含まれるパラジウムはアレルギー発作率が37.9%と高く、金属アレルギーを引き起こしやすいのです。
銀歯を入れてから数年後に発症するケースも多い
銀歯を入れてからすぐに金属アレルギーの症状が出ず、5~10年後に金属アレルギーを発症するケースもあります。
先ほどもお伝えした通り、脱毛症や口内炎、頭痛や肩こりなど全身の体調不良や自律神経の乱れの原因となるため、心当たりのある方は早めに対処することが大切です。
また、これから歯科治療を行う予定の方は、歯科医師に「金属アレルギーであること」を必ず伝えるようにしてください。
銀歯の金属アレルギーは治療できる?
続いて、銀歯の金属アレルギーを治療する方法を説明します。
まずは皮膚科を受診する
金属アレルギーの検査は自分で判断することは出来ません。
まずは皮膚科を受診して頂き、パッチテスト等による皮膚症状の診断を行いましょう(これらの検査は保険適用内で行えます)。
ここでは、歯科で使用する金属に対してアレルギー反応があるかを検査してもらいます。アクセサリーや衣類、化粧品や食べ物が原因の可能性もあるので、皮膚科での診断は必須となります。
歯科で使用する金属によるアレルギーと診断されれば、「診療情報提供書」を発行してもらい、診療情報提供書を持参した上で、歯科医院を受診しましょう。診療情報提供書の発行費用は、保険適用で約750円です。
歯科医院でメタルフリー治療を行う
皮膚科での診断結果を歯科医師に伝えたうえで、具体的な治療方針を決めていきます。
基本的には、お口の中の金属を非金属の詰め物に交換する治療を行います。いわゆる、メタルフリー治療と呼ばれる金属を使用しない歯科治療です。
なお、歯科医院に通院中も皮膚科での治療が必要と判断されれば、歯科と皮膚科を並行して通院することになります。
金属を使用しない歯の詰め物・被せ物
皮膚科から金属アレルギーの診断書があれば、保険適用内で非金属の詰め物・被せ物と交換することが可能です。
しかし、保険適用内の詰め物・被せ物は「変色しやすい」「着色しやすい」「劣化しやすい(長持ちしない)」「耐久性に劣り割れやすい」などの欠点があります。
見た目や機能面にこだわる方は、セラミック治療のような自費補綴物をオススメしています。
金属アレルギーの心配がない「セラミック治療」
セラミック治療とは、セラミック製の詰め物・被せ物を用いた治療のことです。
セラミックの中にも様々な種類がありますが、オールセラミックのように金属を使用しない素材であれば、金属アレルギーの心配がありません。
セラミック治療のメリット
- 金属アレルギーの方でも安心して使用できる
- メタルタトゥーの心配がない(※メタルタトゥーとは、金属が溶けだし歯茎が黒く変色する状態のこと)
- 白く透明感のある美しい見た目をしているので、口元を気にせず笑えるようになる
- 劣化・変色しにくい素材なので、長期間にわたって白く美しい見た目を維持できる
- ツルツルとした素材なので、汚れが付きにくくお口の中を清潔に保てる
- 歯と詰め物の間に隙間ができにくく、虫歯の再発リスクが減少する
セラミック治療は保険適用外のため、保険診療と比較すると治療費が高く、経済的なデメリットはありますが、その分得られるメリットも多いです。
金属アレルギーを起こさないだけでなく、見た目や機能的な観点からもオススメできる治療です。
関連記事:セラミック治療のメリット・デメリット
関連記事:岡歯科医院のセラミック治療
まとめ
これまでお伝えしてきた通り、脱毛症、口内炎、舌の痛み、手のひらの水ぶくれ、肩こり、頭痛、味覚障害など、銀歯が原因となって金属アレルギーを引き起こすことがあります。
また、少し話が脱線しますが、銀歯が原因で「ガルバニー電流」が発生することもあります。
ガルバニー電流とは、異なる種類の金属がお口の中にあると、電位差によりお口の中に電流が発生する現象のことです。ガルバニー電流は、舌の痛みや味覚障害、自律神経の乱れなど、全身に悪影響を及ぼします。
このように、歯科治療で用いる金属は「金属アレルギー」「ガルバニー電流」など様々な問題・リスクの発生源となり得るのです。
そうした問題点を解決するためにも、セラミックのような「金属を使用しない詰め物・被せ物」を用いたメタルフリー治療をご検討されてはいかがでしょうか。
当院でも、セラミック治療をはじめ、金属アレルギーの方に優しい治療を行っておりますので、まずはお気軽にご相談ください。