歯と歯茎の境目が黒ずむのは何故?治療法は?

当院では「歯と歯ぐきの境目の黒ずみ(ブラックライン)」に関するご相談をいただくことがあります。

歯と歯ぐきの境目の黒ずみは、見た目の問題だけでなく、虫歯や歯周病などの口腔トラブルの可能性もあるので、放置せずに対策することが重要です。

当記事では、歯と歯ぐきの境目が黒くなる原因と解決策についてご説明します。

歯と歯ぐきの境目が黒くなる原因

歯と歯ぐきの境目が黒くなる原因として、以下の4つが挙げられます。

  • 虫歯による黒ずみ
  • 歯周病による黒ずみ
  • 色素沈着による黒ずみ
  • 被せ物や差し歯の金属による黒ずみ

特に、虫歯や歯周病が原因で歯と歯ぐきの堺目が黒ずんでいる場合は、早急な治療が必要となります。

虫歯は症状が進行すると、神経の除去や抜歯が必要になるケースもあります。歯周病も同様に、放置すると歯が抜け落ちてしまうリスクがあるので注意しましょう。

虫歯による黒ずみ

虫歯が進行すると、歯と歯ぐきの境目が黒くなることがあります。

虫歯によって歯と歯ぐきの境目が黒くなってしまった場合、セルフケアで治すことはできません。歯科医院で適切な治療を受ける必要があります。

関連記事:虫歯の症状と治療法

歯周病による黒ずみ

歯周病の症状が進行すると、歯と歯ぐきの境目が赤黒く見えることがあります。

これは、歯周病によって歯ぐきから出血し、口腔内に溜まった歯石と血液が混じることで黒い歯石となるためです。歯周病は放置すると最終的には歯が抜け落ちてしまうため、早期に治療を行いましょう。

関連記事:歯周病の症状と治療法

タバコによる黒ずみ

タバコから出る一酸化炭素によって酸素不足を引き起こし、ニコチンの影響で歯ぐきの血流が悪くなり、色が黒くなるケースです。

喫煙しない方でも日常的に副流煙を吸うことで、歯ぐきが黒くなるケースもあります。

被せ物や差し歯の金属による黒ずみ

被せ物や差し歯に金属を使用していると、唾液によって金属が溶け出し、歯ぐきが黒くなることがあります。

特に保険適用で使用する金属は口腔内で徐々に溶け出すため、避けることは難しいです。その場合レジンやセラミックなどの非金属素材に替えることで、黒ずみの悪化を防ぐことができます。

歯と歯ぐきの境目の黒ずみを除去する方法

できる限り歯科医院には行かず、セルフケアで歯と歯ぐきの境目の黒ずみを除去したいとお考えの方も多いかと思います。しかし、セルフケアでの黒ずみ除去は難しいです。

中には、市販のスケーラーで黒ずみの除去を試みる方もいるかと思いますが、歯や歯ぐきを傷つけてしまう恐れがあるのでオススメできません。

まずは歯科医院で診断の上、黒ずみを除去する処置を行うことをオススメします。歯科医院での主な治療法は以下の通りです。

  • レーザー治療で黒ずみを除去する
  • ガムピーリング(歯ぐきのホワイトニング)
  • 被せ物や差し歯を非金属の素材に替える

レーザー治療で黒ずみを除去する

歯科用レーザーを照射することで、歯と歯ぐきの境目に沈着した色素を除去することができます。金属による黒ずみ以外にも、タバコによる変色や歯周病が原因の黒ずみにも有効です。

ガムピーリング(歯ぐきのホワイトニング)

ガムピーリングは、黒く変色した歯ぐきに薬品を塗布して、健康的なピンク色に近づける方法です。加齢やタバコによる黒ずみにはガムピーリングが有効です。

ただし、口腔内に金属製の詰め物や被せ物が残っていると、再び歯と歯ぐきの堺目が黒ずんでいきます。根本的な解決策として、次で紹介する「被せ物や差し歯を非金属の素材に替える」方法が有効です。

被せ物や差し歯を非金属の素材に替える

口腔内の被せ物や差し歯を「非金属素材」に替えることで、これ以上歯と歯ぐきの境目が黒ずむことを防止できます。

金属を含まない素材には、保険適用のレジン素材がありますが、「着色・変色しやすい」「耐久性が低い」といった欠点があります。

その欠点を解消するためにオススメなのがセラミックと呼ばれる非金属の素材です。セラミックは歯ぐきの黒ずみを防止するだけでなく、以下のようなメリットがあります。

  • 天然の歯と遜色ない美しい仕上がりになる
  • 虫歯の再発リスクが低い
  • 耐久性に優れている
  • 傷が付きにくく変色しにくい素材

金属が原因で歯と歯ぐきの境目に黒ずみが発生しているのであれば、「セラミック素材」に替えることがオススメです。

よくある質問

最後に、歯と歯ぐきの境目の黒ずみに関して、よくある質問にお答えします。

そもそも、健康な歯ぐきの状態とは?

健康な歯ぐきは、綺麗なピンク色をしており、ハリがあり引き締まった状態です。一方、ハリがなくブヨブヨとしていたり、腫れや出血がある場合は、何らかの口腔トラブルが考えられます。

子どもの歯と歯ぐきの境目が黒いのは何かの病気ですか?

お子さんの場合は、虫歯や歯周病などの病気による黒ずみの可能性は低く、時間が経てば消失することが多いです。それでも黒ずみが消えない場合は歯科医院を受診しましょう。

歯と歯ぐきの境目にある「黒い歯石」を自分で取る方法はないですか?

爪楊枝や市販のスケーラーで除去しようとする方がいますが、自分で黒い歯石を取るのはおすすめしません。歯や歯ぐきを傷つけてしまう恐れがあるため、必ず歯科医院で取ってもらうようにしてください。

まとめ

歯と歯ぐきの境目が黒くなる原因は様々です。中には、虫歯や歯周病などによって歯ぐきが黒ずんでいるケースもあるので、放置せずに早急に歯科医院への受診をオススメします。

また、歯ぐきの黒ずみは自力で除去することは難しく、歯科医院でレーザー治療やガムピーリングなどの専門的な処置が必要になります。

なお、当院でも歯ぐきの黒ずみを除去する治療に対応しておりますので、気になる方はお気軽にご相談いただければと思います。