ブリッジのメリット・デメリット!入れ歯やインプラントと何が違う?

歯を失ってしまった時の治療法として、「ブリッジ」を検討されている方もいらっしゃるかと思います。

岡歯科医院 院長

ブリッジには、もちろんメリットもございますが、必ず知っておきたいデメリットも存在します。

そこでこの記事では、ブリッジとはどのような治療方法なのか、どんな素材や種類があるのかを説明した上で、メリットとデメリットについて詳しく解説します。

また、ブリッジ以外の治療の選択肢として挙がる保険適用の入れ歯や自費の入れ歯、インプラントについても触れ、どの方法を選ぶべきか参考までに比較を行います。

「以前のように食事を楽しみたい」「歯についての悩みをなくしたい」という人は、ぜひご覧ください。

ブリッジとはどのような治療方法?

ブリッジ治療は、一本以上の歯を失った際に選択される歯科治療法です。失った歯の本数が少ない場合に、自然な見た目を保ちながら噛む機能を回復させることを目的としています。

方法としては、失われた歯の両隣にある健康な歯を支えとして使用し、その間に人工の歯を「橋渡し」するように固定します。支えとなる歯を削り、その上にブリッジを固定するというシンプルな方法のため、比較的迅速に治療を完了させることが可能です。

ただし、ブリッジ治療は健康な歯を削る必要があるため、治療を受ける前には慎重な検討が必要です。1度削った歯を元に戻すことは出来ないので、治療を検討する際には必ずメリットとデメリットを把握しておきましょう。

ブリッジの素材、種類

ブリッジ治療は、失った歯を取り戻す治療法として必ず選択肢に挙がる一般的な方法です。ただし、同じブリッジでも使用する素材により機能や見た目が大きく異なります。

以下に、さまざまなブリッジの素材の特徴やメリット、デメリットをまとめました。

素材料金相場寿命特徴メリットデメリット
保険適用ブリッジ3千〜1万円5-10年金属合金低コスト、保険適用見た目が自然歯と異なる、耐久性に劣る
オールセラミック8万〜20万円10-15年自然な見た目美観、金属アレルギーなし割れやすい
硬質レジン3万〜5万円5-7年樹脂素材低コスト耐久性に劣る、色が変わりやすい
ゴールド10万〜15万円20年以上金や金合金耐久性と生体適合性に優れる見た目の問題、高価

ブリッジの素材や特徴を理解することで、自分に適切な治療、満足いく方法を選ぶことができます。

ブリッジのメリット

ブリッジには下記のようなメリットがあります。

  • 手術の必要がなく、治療期間が短い
  • 素材によって自然な見た目や高い機能性が選べる
  • 保険適用で費用を抑えて治療が行なえる

上記のメリットについて、それぞれ詳しく見ていきましょう。

1.手術の必要がなく、治療期間が短い

ブリッジは、治療の速さと手軽さで多くの患者に選ばれています。

一般的に、ブリッジ治療は3〜4週間程度で完了し、抜歯を伴う場合でも治療期間はそれほど延びません。この速さは忙しい日常の中、歯科医に通い続けることが負担になる人にとって大きなメリットとなるでしょう。

2.素材によって、自然な見た目や高い機能性が選べる

ブリッジ治療は、自然な見た目を追求するものや高い機能性を持つものなど、幅広い素材の中から目的に合わせたものを選択可能です。

例えば、先に触れた様々な素材の中でもオールセラミックやハイブリッドセラミックは特に審美性に優れ、天然歯と見分けがつかないほどの自然な見た目を実現します。メタルボンドやフルジルコニアは強度と耐久性に優れ、機能性を重視する奥歯の治療に最適です。

ブリッジ治療は、患者が求めている姿に合わせて幅広い素材の中から選択できる点が大きな魅力と言えます。

3.保険適用で治療が行える

保険適用のブリッジ治療は、全国どこの医院でも費用は同じで歯1本に対して約2万円程度です。前歯のブリッジであっても費用相場は、健康保険3割負担で約13,000〜23,000円程度となります。

限られた素材になりますが、保険適用内のブリッジであれば治療に掛かる費用を抑えられます。

ブリッジのデメリット

ブリッジを検討する際には、必ずメリットだけではなくデメリットについても把握しなければなりません。下記に、ブリッジ治療をする際に避けることができないデメリットについて紹介します。

1.歯を大きく削る必要がある

ブリッジ治療の大きなデメリットの一つは、治療の際に健康な歯を大きく削らなければならない点です。

ブリッジを安定させるためには隣接する歯を削りブリッジを支える土台を作ります。そのために削られる歯の量は決して少ないとは言えません。

特に、歯のエナメル質や象牙質が大きく削られると歯の構造が弱まり、将来的に虫歯や歯周病になるリスクが高まります。

2.両隣の健康な歯に悪影響を与える

ブリッジ治療を行う際には失った歯の隣にある健康な歯を削ります。

削られた歯はブリッジを支える役割を担うため、隣接する歯に大きな負担が掛かり、健康な歯の寿命を縮めてしまう可能性があります。

また、ブリッジの固定に伴う圧力は、隣接する歯の歯茎や歯の根にも影響を与え、新たなトラブルの原因になる可能性もあります。

3.ケアを怠ると虫歯や歯周病のリスクが高まる

ブリッジの下の隙間は、食べ物の残りや細菌が溜まりやすい場所なので、虫歯や歯周病の引き金になり得ます。そのため、ブリッジ治療後には本来の歯以上に丁寧なケアを心がけなければなりません。

特に、ブリッジの端部や歯肉との境界部分は、プラークが蓄積しやすく、通常のブラッシングでは清掃が難しい場所です。歯ブラシと合わせて、デンタルフロスや歯間ブラシなどを使用して、これらの部分の清掃に特に注意を払う必要があります。

ブリッジ以外の歯を失ったときの治療の選択肢

歯を失った際の治療の選択肢は、ブリッジ以外にも複数の方法があります。

それぞれの治療法は歯の健康状態はもちろん、経済的な状況などに応じて異なるメリットとデメリットを持っています。

下記にブリッジ以外の治療法の特徴を紹介するので、それぞれの特徴を把握して、歯科医とともに自分に最適な治療法を選択しましょう。

保険適用の入れ歯

保険適用の入れ歯は経済的な観点から選ばれることが多い治療法です。この治療法の主なメリットは低コストであること、広範囲の歯の欠損でも問題なく対応できる柔軟性です。

しかし、安定性や快適さの面でブリッジやインプラントに劣ることがあります。また、入れ歯のフィット感や発音なども人によっては問題となることがあります。

自費の入れ歯

自費の入れ歯は、保険適用の入れ歯よりも高価ですが、より自然な見た目や快適な装着感を実現します。

高品質な素材や精密な製作により、機能性と審美性の両方を追求できる点が大きなメリットです。最近の医療の進歩により、種類によっては天然の歯以上の美しさや強度を誇るものもあるほどです。

しかし、高価であるため、経済的な負担が大きくなることがデメリットとなります。

インプラント

インプラント治療は、失った歯の位置にチタン製の人工歯根を顎の骨に埋め込み、その上に人工の歯を装着する治療方法です。

この方法の大きな利点は自然歯そのもののような見た目と機能を持ちながら、周囲の健康な歯を削る必要がないことが挙げられます。

ただし、インプラント治療には手術が必要であり、治療費が高い点や一定の骨量が必要である点など考慮すべき点もあります。

ブリッジと入れ歯で悩んだ場合はどちらが良い?

ブリッジは隣接する健康な歯を削る必要があり、健康な歯の寿命を縮めてしまう可能性があります。

一方、入れ歯は隣接する健康な歯を削る必要がないため、周囲の歯へ影響を抑えられます。

また、保険適用で費用を抑えつつ、広範囲の歯の欠損に対応できる柔軟性もメリットです。多くの歯を失った場合や、経済的な理由で低コストの治療を求める場合にも適していると言えます。

上記のような点から、広範囲の歯の欠損や費用を抑えたい場合にブリッジよりも入れ歯が選ばれることが多いです。

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ブリッジとインプラントで悩んだ場合はどちらが良い?

インプラントは隣接する健康な歯に影響を与えることなく施術が可能なので、ブリッジのように歯を削る必要がない点が大きな利点です。

複数の歯が欠損している状況でも、インプラントは各部位に独立した人工の歯根を設置できるので、より自然な見た目と機能を回復させます。美しい見た目はもちろん、咀嚼力の回復が見込めるので、「何でも好きなものを食べたい」という人にはうってつけと言えます。

また、長期的な観点から見ても、インプラントは耐久性に優れ、適切なケアにより長期間使用することが可能です。これは、ブリッジが一般的に10年から15年で交換が必要になることと対照的と言えます。

ただし、費用面や骨量の問題など個々の状況に左右される面もあるので、専門の歯科医師とよく相談をして検討しましょう。

>>インプラント治療の症例を見てみる

より自然な見た目、歯本来の機能を求める場合にはインプラントが最適

インプラントは、失った歯の根部分を人工的に再現し、天然の歯に非常に近い見た目と機能を取り戻す治療法です。自然な見た目と歯本来の機能を求める場合、インプラントは最適な治療法と言えます。

インプラントのメリットとしては下記の通りです。

  • 自然な見た目
    インプラントは天然の歯に非常に近い見た目を実現し、審美的に優れている。
  • 噛む力の回復
    天然の歯とほぼ同等の噛む力を取り戻し、食事の快適さを向上させられる。
  • 長期的な安定性
    適切なケアとメンテナンスにより、長期間にわたって安定して使用可能。
  • 周囲の歯への影響が少ない
    隣接する歯を削る必要がないので、周囲の歯の健康を維持できる。
  • 骨の健康の維持
    インプラントは顎の骨と結合し、骨の吸収を防ぐ効果がある。

上記の通り、インプラント治療は審美性・機能面などにおいて様々なメリットがあります。ただし、治療の適用性や費用、手術に関連するリスクなど、患者の状況に応じて適切な治療法を選択することが重要です。

ブリッジからインプラントへ変えることはできる?

ブリッジの見た目や機能に満足していない場合や、ブリッジの支えとなる歯に問題が生じた場合にインプラントに変更したいという人も多くいます。ブリッジからインプラントへの変更はほとんどの場合で可能ですが、慎重に検討をしなければなりません。

変更の際に重要になるのは、顎の骨の状態や健康な歯茎の有無。十分な骨量があれば、インプラントをブリッジの位置に直接埋め込むことができるので、天然の歯に近い見た目と機能を実現します。

しかし、患者の口腔内の状態によっては難しいこともあり、場合によっては骨移植といった処置が必要になることも。そのため、ブリッジからインプラントへの変更を検討する際には、歯科医師と十分に相談することが不可欠です。

失った歯の治療は適切な方法を選択しましょう

今回は、失った歯を取り戻すブリッジ治療のメリットとデメリットについて紹介しました。

ブリッジ治療はそれぞれの状況に応じて、メリットとデメリットを把握して慎重に考慮することが重要です。今回紹介したメリット・デメリットは下記の通りです。

ブリッジのメリット

  • 手術の必要がなく、治療期間が短い
  • 素材によって、自然な見た目や高い機能性がある
  • 保険適用で費用を抑えて治療が行える

ブリッジのデメリット

  • 歯を大きく削る必要がある
  • 両隣の健康な歯に悪影響を与える
  • ケアを怠ると虫歯や歯周病のリスクが高まる

また、失った歯の治療法として、ブリッジ以外にも保険適用の入れ歯や自費の入れ歯、インプラントといった複数の選択肢が存在します。中でも、見た目や天然の歯同様の機能性を持つインプラントは近年注目されている治療法です。

もちろん、それぞれの口腔状態や経済的な面など、考慮すべき点が違うので一概にどれが良いとは言えません。

岡歯科医院 院長

当院ではブリッジ・入れ歯・インプラントの全ての治療に対応しておりますので、どれにするか良いか分からないという方はお気軽にご予約いただければ幸いです。

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