ぶつけた歯が黒く変色する原因は?白い歯に戻す方法は?
「黒ずんだ歯を放置しても大丈夫?」
「白い歯に戻す方法は?」
このような疑問やお悩みをお持ちの方も多いのではないでしょうか。ぶつけた歯が黒くなって放置してしまうと、場合によっては「細菌感染」を引き起こす恐れもあります。本記事では、ぶつけた歯が黒く変色する原因、対処法を解説します。
ぶつけた歯が黒く変色する原因
歯をぶつけるなど強い衝撃が加わると、歯が変色することがあります。
①黄色やピンクに変色
→一時的な内出血の可能性が高い
②グレーや黒
→歯の神経が死んでいる可能性が高い
上記の通り、グレーや黒に変色している場合は、残念ながら歯の神経が死んでいる可能性が高く、自然治癒することはありません。症状を悪化させないためにも、早急に歯科医院を受診することをおすすめします。
ぶつけた歯の放置はNG
中には痛みがないケースもあり放置する方も多いですが、失活歯の神経組織から細菌感染を引き起こす可能性も考えられます。感染が広がると顎の痛みや腫れなどの症状が現れ、顔がパンパンに腫れあがってしまうことも。
繰り返しになりますが、外傷により歯の神経が死んでしまった場合、自然治癒することはありません。「痛くないし、出血もしていないから大丈夫」などと思わずに、歯をぶつけた際は歯科医師に相談してください。
ぶつけた歯が黒く変色した時の対処法
歯をぶつけてから「すぐに変色した」場合と、「しばらくしてから変色した」場合では、対処法が異なります。どの事例でもぶつけた歯が変色した場合は、できるだけ早く歯科医院を受診するのがおすすめです。
ぶつけた歯がすぐに「薄い赤色」に変色した場合
歯をぶつけてから、すぐに薄い赤色に変色するケースがあります。これは、歯の神経内にある血管がダメージを受けているからです。内出血の状態になっているため、ぶつけた箇所を治療することで変色もなくなります。
対処法としては、患部を触らず安静にし、早急に歯科医院を受診してください。
具体的な治療法
内出血によって歯が変色した場合、下記の検査を行った後に経過観察をすることが多いです。
- 視診
- 触診
- レントゲン検査(エックス線検査)
- 歯の動揺度の測定
痛みがある場合は、消炎鎮痛剤を処方して経過観察をします。内出血による変色は、数ヶ月経つと治癒することも多いです。定期的なケアを怠ってしまうと症状が悪化し、最悪の場合、抜歯になる可能性があるので注意しましょう。
ぶつけた歯がしばらくして黒く変色した場合
歯をぶつけてから、時間が経ってから黒く変色した場合、自然治癒することはありません。
ぶつけた歯の神経が死んでしまっている可能性があり、血液循環がストップしている状態です。その結果、歯に含まれているコラーゲンが古くなり、時間経過とともに黒く変色していきます。
放置してしまうと細菌感染の恐れがあり、歯茎が腫れたり膿が出てきたりするなどの症状があります。セルフケアで行える対処法はないため、早急に歯科医院を受診するのが大切です。
具体的な治療法
基本的には、死んでしまった神経を綺麗に除去する根管治療が必要になる場合が多いです。その後に、セラミックの被せ物などで歯の変色を改善します。
根管治療とは、歯の内部に残っている神経の残骸を綺麗にする治療のことを言います。死んでしまった神経を放置してしまうと、神経が腐敗し細菌感染を引き起こすリスクが高まるので、これらを除去する処置を行う必要があるのです。
根管治療は非常に高度な技術を要する治療法です。技術力があり、信頼できる歯科医院で治療を受けることをおすすめします。
黒く変色した歯を白く治すことはできる?
「ホワイトニングでは白くできませんか?」と質問される方もいらっしゃいます。しかし、残念ながら神経がなくなった歯(失活歯)をホワイトニングで白くすることはできません。
黒く変色した歯を白くする方法として、代表的なのが「セラミック治療」です。
セラミック治療では、変色した部分を削り、セラミックの被せ物をすることで自然な歯の色に戻せます。また、時間経過によって変色することもありません。当院でも、セラミック治療を行っていますので、お気軽にご相談ください。
※価格は約13.2万円(税込)。リスクとして歯を削る必要がある。
ぶつけた歯が欠けるのは虫歯が原因?
実は歯が欠ける原因は、転倒や外傷によるものだけではありません。
歯は鉄よりも硬いと言われており、軽くぶつけた程度で欠けることは稀なのです。そこには虫歯などによって歯が脆くなっている可能性があり、早急に対処する必要もあります。
下記では、歯が欠ける主な原因を3つご説明します。
虫歯
まずは、虫歯によって歯が欠けてしまう例です。
虫歯が進行すると、虫歯菌が神経にまで達することがあります。歯を守っているエナメル質が虫歯菌によって溶かされ、その内側の象牙質まで虫歯が進行すると歯は脆くなります。そのため、虫歯が進行した歯は、食べ物を噛んだだけでも欠けてしまうことがあるのです。
歯ぎしり・食いしばり
歯ぎしりや食いしばりが歯が欠ける原因になることもあります。
特に無意識の中で行う歯ぎしりは、体重の約2〜5倍の力がかかるといわれています。例えば、体重60kgの方であれば、120kg以上の負荷が歯にかかるのです。特に神経が失われている歯は脆くなっているため、強い負荷に耐えられず歯折するケースもあります。
対策としては、マウスピース型の「ナイトガード」を使用して歯を守る方法が効果的です。
酸蝕歯(歯が溶ける)
食べ物や飲み物に含まれる酸によって、口腔内が酸性に傾き、歯を守るエナメル質が柔らかくなることがあります。酸蝕歯によってエナメル質が柔らかくなることで、歯が欠けやすくなりします。
特に、酢やスポーツドリンク、砂糖が多く含まれている炭酸飲料などを好んで摂取している方は注意が必要です。これらの飲食物を控えて、唾液の分泌を促すことが大切です。
よくある質問
ここでは、ぶつけた歯が変色してしまった際によくある質問にお答えします。
歯をぶつけてからしばらく経った後に変色してきました。自然に治りますか?
歯の神経が死んでしまっている場合は、自然に元の色に戻ることはありません。歯磨きや一般的なホワイトニングを行っても、治すことは難しいです。歯の見た目をより自然にしたい場合は、「セラミック治療」をおすすめしています。
ぶつけた乳歯が黒く変色したら治療はできない?
ぶつけた歯が乳歯の場合、上記で説明したセラミック治療などを行うことはほとんどありません。なぜなら、乳歯はいずれ永久歯に生え変わるからです。
見た目を気にされるお子さまも多いかと思います。しかし、成長段階である子どもの発育を妨げるような治療を行うのは、控えることが好ましいです。ただし、乳歯の外傷に対しては処置が必要なので、すぐに歯科医院を受診することが大切です。
ぶつけた歯が欠けてしまったら?
ぶつけた歯が欠けてしまった際は、欠けた箇所を舌や手で触らずに、できるだけ早く歯科医院を受診することです。歯の状態によっては欠けた歯を元に戻せる可能性もあるため、欠けた歯は生理食塩水や牛乳などにつけて保存しておきます。
まとめ
本記事では、ぶつけた歯が黒く変色したときの原因と対処法などをお伝えしてきました。これまでの内容をおさらいします。
- ぶつけた歯が変色するのは、「内出血」「歯の神経が死んでしまっている」ことが原因
- 放置してしまうと細菌感染の恐れもあるため、早急に歯科医院を受診するのが大切
- 治療法としては、審美性、耐久性に優れた「セラミック治療」がおすすめ
「痛くないから大丈夫」「出血していないから大丈夫」などと放置してしまうと、細菌感染を引き起こす恐れもあり危険ですので、早急に歯科医院を受診しましょう。
当院でも、ぶつけた歯の治療と歯の変色を改善する審美治療に対応しており、患者さまのお口の状況に合わせて最適な治療法をご提案しております。ますはお気軽にご予約ください。