【歯科医師が解説】入れ歯・インプラント・ブリッジの違いを比較!

歯を失った時の治療法に、入れ歯・インプラント・ブリッジがあります。

各治療法をよく理解せず治療を受けると、後悔することになりかねません。

岡歯科医院院長

それぞれの治療法にはメリット・デメリットがあり、その特徴を知っておくことが重要です。

本記事では、入れ歯・インプラント・ブリッジの治療法と特徴を解説し、さらに歯科医院の選び方もご紹介します。

「どの治療法を選べばよいか悩んでいる」「歯科医院の選び方を知りたい」という方は、ぜひご覧ください。

入れ歯・インプラント・ブリッジの治療法

まず、入れ歯・インプラント・ブリッジの治療法から解説します。

  • 入れ歯
    取り外し可能な装置で、残った歯や歯ぐきに引っ掛けて失った歯を補う治療法です。
    歯を失った部分の型を取り、作成の工程で試適していただきながら調整します。
  • インプラント
    チタン製の歯根を歯を失った箇所に埋め込み、その上に人工歯を被せる治療法です。
    多くのメリットがあることから、インプラントを選ぶ患者様が増えています。
  • ブリッジ
    失った歯の両隣の歯を削って土台とし、人工の歯を橋渡しのように被せる治療法です。
    型を取ってブリッジを作成した後、接着剤でくっつけます。

治療法だけみても大きな違いがあります。

あなたにとってどの治療法がよいのか、以下で紹介する各治療法の特徴をチェックしましょう。

入れ歯・インプラント・ブリッジの特徴

入れ歯・インプラント・ブリッジの特徴を10項目に分けてご紹介します。

メリット・デメリットも含めて解説していますので、選ぶ際の参考にしてください。

➀適応条件

各治療法はどれも歯を失った時の治療法ですが、口の中の状態によっては治療法が限られるケースがあります。

各適応条件は以下のとおりです。

  • 入れ歯
    ほとんどの場合に対応
  • インプラント
    歯根を顎の骨に埋め込むため、顎の骨が十分ある
    持病によってはできないケースがある
  • ブリッジ
    支えとなる歯が両隣にあり、その歯が健康である

なお、顎の骨が十分なくインプラントを断られた場合でも、骨を造る治療をすることでインプラントができる可能性があります。

➁噛む力

各治療法は噛む力が異なるため、食事がこれまで通り楽しめるかも変わります。

それぞれの噛む力をご紹介します。

  • 入れ歯
    天然の歯と比較すると大きく低下する
  • インプラント
    天然の歯と同じように噛める
  • ブリッジ
    天然の歯と比較すると低下する
    支えとなる歯の状態にも左右される

入れ歯とブリッジは噛む力が低下するため、食事がしづらいことや、固い食べ物は控えないといけないデメリットがあります。

➂違和感

各治療法は違和感も異なり、普段の生活で感じるストレス度合いも違います。

それぞれの違和感は以下のとおりです。

  • 入れ歯
    違和感・異物感が強くある(保険適応の入れ歯)
  • インプラント
    違和感が全くない
  • ブリッジ
    違和感が少ない

入れ歯の種類には、保険適応と自費のものがあり、自費の入れ歯にはフィット感が向上するタイプがあります。

入れ歯を検討されている方は、自費の入れ歯にも対応している歯科医院を選ぶと選択肢が広がります。

参考記事:入れ歯治療

④見た目

口元は注目されやすい顔のパーツなので、「不用意に歯が目立つのは避けたい」と思われる患者様は少なくありません。

各治療法の見た目は以下のとおりです。

  • 入れ歯
    見た目に劣る(保険適応の入れ歯)
    銀色の留め具が目立つ(保険適応の入れ歯)
  • インプラント
    天然の歯と変わらない見た目
  • ブリッジ
    インプラントほどでないが比較的見ためがよい

天然の歯のような見た目を手に入れたい方は、インプラント、または自費の入れ歯がおすすめです。

⑤周囲の歯への影響

各治療法は失った歯を補えますが、周囲の歯へ影響を及ぼすものもあります。

それぞれの周囲の歯への影響をご紹介します。

  • 入れ歯
    銀色の留め具をかける歯に負担がかかりやすい(保険適応の入れ歯)
  • インプラント
    なし
  • ブリッジ
    両隣の支えとなる歯を削るため負担がある

ブリッジは健康な歯を削る必要があるため、歯の寿命を縮めるリスクがあります。

健康な歯に勝るものはないため、ブリッジを選択する際は慎重に検討しなければなりません。

関連記事:ブリッジのメリット・デメリット!入れ歯やインプラントと何が違う?

自費の入れ歯は銀色の留め具を使用しないため、周囲の歯の影響も少なく済みます。

⑥顎の骨の影響

顎の骨は、歯の根から噛む刺激が伝わることで活性化しますが、歯を失った箇所は噛めなくなるため刺激が伝わらなくなります。

もともと人の体は、刺激を与えられなくなった部位は徐々に衰えていく性質があるため、顎の骨は痩せていきます。

各治療法の顎への影響は以下のとおりです。

  • 入れ歯
    歯を失った部分の骨が痩せやすい
  • インプラント
    歯根を埋め込むため顎の骨が活性化されやすく痩せない
  • ブリッジ
    歯を失った部分の骨が痩せやすい

この中でも、インプラント治療を検討されている方は、なるべく早く歯科医院への受診をしましょう。

なぜなら、歯を失った期間が長いほど骨が痩せやすく、インプラントの歯根を埋められないケースがあるからです。

また「一旦ブリッジ治療をして、ゆくゆくはインプラントを考えている」という方も、顎の骨が痩せてしまいますので、初めからインプラント治療をするのがおすすめです。

関連記事:ブリッジからインプラントに変更できる?注意点・難しいケースを解説

⑦費用

各治療法は費用に大きな差があり、保険診療であれば自己負担は1~3割、自費(保険適応外)であれば全額自己負担です。

  • 入れ歯
    保険診療と自費がある
  • インプラント
    自費のみ
  • ブリッジ
    保険診療と自費がある

保険適応外の治療のほうが費用は高くなりますが、多くのメリットから自費の治療を選ぶ患者様もいらっしゃいます。

なお、口の中の状態によって費用が大きく異なるため、治療を受ける前に費用の説明がある歯科医院ですと安心です。

⑧治療期間

各治療法は治療期間が異なり、それぞれの治療期間の目安は以下のとおりです。

  • 入れ歯
    数週間~数ヶ月
  • インプラント
    上顎は約3ヶ月、下顎は約6ヶ月
  • ブリッジ
    数週間~数ヶ月

入れ歯とブリッジは比較的短い期間で治療が終了し、インプラントは長くなる傾向にあります。

口の中の状態によって治療期間は大きく異なります。

治療を受ける前に、期間を含めた治療計画の説明がある歯科医院ですと、見通しが立てやすく安心です。

⑨寿命

各治療法には寿命があり、半永久的な治療法ではありません。

寿命は以下のとおりです。

  • 入れ歯
    約5年(保険適応の入れ歯)
  • インプラント
    約10年以上
  • ブリッジ
    約5~10年(保険適応のブリッジ)

入れ歯やブリッジは、残った歯や顎の骨の状態によっては、寿命よりも早く作り変えるケースがあります。

また、インプラントは日ごろの歯のケアとメンテナンス次第で、より長く利用できます。

⑩治療後に起こるリスク

入れ歯・インプラント・ブリッジの治療後は、特有のトラブルが起こるケースがあります。

治療後に起こるリスクをご紹介します。

  • 入れ歯
    手入れ不足による細菌感染やカンジダ、周囲の歯の虫歯や歯周病
    ズレで起こる口内炎や潰瘍、これらに伴う痛み
  • インプラント
    メンテナンス不足によるインプラント周囲炎
  • ブリッジ
    土台の歯の虫歯や歯周病、ひび、割れ
    ※歯を削るのでリスクは高まります

入れ歯はつけっぱなしにせず、取り外してきれいに清掃することが大切です。

どのリスクも、治療をした後の丁寧な口のケアと、定期的に歯科医院へ通院しメンテナンスをすることで予防できます。

入れ歯・インプラント・ブリッジ治療をするための歯科医院の選び方

各治療法のいずれかを受けるにあたって、歯科医院選びは重要です。

入れ歯・インプラント・ブリッジ治療をするための歯科医院の選び方をご紹介します。

各治療法の実績がある

治療を受けるにあたって、歯科医院に各治療法の実績があるのかを確認しましょう。

歯科医院によっては十分な実績がなかったり、インプラントだけに特化していたりなど、実績が偏っているケースがあります。

そのような歯科医院ですと、希望に添う治療が受けられないことや、その場しのぎの治療となることがあり「こんなはずじゃなかった」と後悔することになりかねません。

各治療法の実績がある歯科医院ですと、それぞれのメリット・デメリットを知識だけでなく治療経験から把握しており、適切な治療を提案してもらえます。

実績は歯科医院のホームページから確認できます。

技工士の技術が高い

入れ歯・インプラント・ブリッジは、専門の技工士が作るため、見た目やフィット感は技工士の腕に左右されます。

見た目は素材の影響を受けやすいですが、例えばインプラントなら真っ白になりすぎず、ご自身の天然の歯に近い色味に作成することが可能です。

また、入れ歯は装着すると違和感が生じやすいですが、この違和感は技工士の技術によって最小限に抑えられます。

技工士の技術に関して、歯科医院のホームページで触れているか確認すると安心です。

歯を失った時だけなく虫歯・歯周病の治療も確認を

入れ歯・インプラント・ブリッジの治療をする際、まずは虫歯歯周病の有無を検査をします。

虫歯や歯周病がある場合、まずは治療をして口の状態を整えることが必要です。特に、ひどい虫歯や進行した歯周病は、高度な治療が必要となるケースもあります。

また、各治療法の後も虫歯や歯周病になるリスクはあるため、定期的に歯科医院に通い、口の健康状態を診てもらうことは必要です。

そのため、虫歯や歯周病の治療の実績がある歯科医院を選ぶことで、安心して継続した治療を受けることができます。

歯を抜いた後の治療法で悩んでいる人へ

入れ歯・インプラント・ブリッジは、どれも失った歯を補う治療法ですが、治療法もメリット・デメリットも異なります。

各治療法の特徴を記事でご紹介したので、参考にしていただければ幸いです。

また、適切な治療を受けるためには、歯科医院選びが重要です。

歯科医院の技術や実績、技工士についても確認しておくと安心して治療が受けられます。

適切な治療を受けることで、歯を失ったことによるストレスから解放され、食事はもちろん日々の生活も各段に過ごしやすくなります。

当院は入れ歯・インプラント・ブリッジの実績があります

当院は入れ歯・インプラント・ブリッジ、どの治療も豊富な実績があり、専門医が在籍しています。

患者様の口の状態やご要望に合わせて、各専門医が総合的に判断し治療をご提案できます。

インプラントに必要な顎の骨を造る治療もできますので、顎の骨が薄い方でもインプラントができる可能性があります。

また、技術の高い技工士と連携しており、入れ歯やブリッジのフィット感やインプラントの自然な見た目には定評があります。

当院の治療

  • ひどい虫歯や歯周病の治療にも対応しています
  • わかりやすく説明しご納得いただいてから治療をします
  • 治療費も事前に明確にお伝えします
  • 痛みに最大限配慮します

歯を失った後の治療法にお悩みの方、各治療法をさらに詳しく知りたい方は、当院までご相談ください。

岡歯科医院院長

まずは丁寧にお話をお伺いし、口の状態を診ますので、気軽にご予約いただけますと幸いです。