市販ホワイトニング歯磨き粉で歯が白くならない理由
「市販のホワイトニング歯磨き粉を使っても歯が白くならない」
「歯の黄ばみが気になるから、歯を白くする効果的な方法を知りたい」
このようなお悩みはありませんか?
近年、歯や口元への美意識が高くなってきており、「歯を白くしたい」という方が増えています。中でも市販のホワイトニング歯磨き粉は自宅で安く、手軽に歯を白くできるアイテムとして人気です。
しかし、市販のホワイトニング歯磨き粉では効果を実感できない方もいらっしゃるかと思います。
本記事ではホワイトニング歯磨き粉で歯が白くならない理由や、歯科治療のホワイトニングとの違い、効果的に白くする方法を解説します。
目次
ホワイトニング歯磨き粉で歯が白くならない理由
結論ですが、ホワイトニング歯磨き粉には「着色汚れを落とす効果」がありますが、「歯が持つ本来の色以上に、歯を白くする効果」はありません。
そのため、「歯を根本的に白くしたい人」にはホワイトニング歯磨き粉はオススメできません。
また、ホワイトニング歯磨き粉を使用することで、歯を傷つけたり、知覚過敏を起こしたりする危険があるので注意が必要です。
ホワイトニング歯磨き粉に潜む2つの危険性
①研磨剤が歯の表面を傷つけてしまう
ほとんどのホワイトニング歯磨き粉には「研磨剤」が入っています。特に、市販で販売されているホワイトニング歯磨き粉には、研磨剤の含有量が多かったりするので注意が必要です。
研磨剤配合の歯磨き粉は着色汚れを落とす効果はある反面、歯の表面を傷つける恐れもあります。
歯の表面が傷つくことで細かい傷に着色汚れが蓄積されていき、余計に歯が黄ばんでしまうことも。
対策としては、
- 研磨剤配合のホワイトニング歯磨き粉の使用を中止する
- 低研磨の歯磨き粉を使用する
- 使用頻度を減らす
などがおすすめです。
②海外の製品は知覚過敏を引き起こす恐れも…
ネットやSNSなどで、「海外製のホワイトニング歯磨き粉を使って歯が白くなった」という方を見かけたことがあるかもしれません。
海外のホワイトニング歯磨き粉には、「過酸化水素水」が配合されている製品があります。これは、日本では承認されていない成分で、歯の根っこから白くする効果が期待されています。
しかし、日本人は欧米人と比べてエナメル質が薄いため、「過酸化水素水」が知覚過敏を引き起こすリスクを高めてしまうのです。
そのため、欧米人の歯質に合ったホワイトニング歯磨き粉を安易に常用するのは危険といえます。
ホワイトニング歯磨き粉の選び方
ホワイトニング歯磨き粉は歯を本来の白さにするものではありませんが、歯に付着した着色汚れを除去するには効果的です。
ここでは、ホワイトニング歯磨き粉の選び方と、歯の白さを保つ効果的な歯磨きの方法を解説します。
ホワイトニング歯磨き粉の選び方
ホワイトニング歯磨き粉選びのポイントは以下の通りです。
- 「低研磨性」もしくは「研磨剤不使用」のホワイトニング歯磨き粉
- ラウリル硫酸ナトリウムなどの「発泡剤不使用」もしくは「配合量が少ない」
- 分割ポリリン酸ナトリウム、ヒドロキシアパタイトなどを含んでいる
ホワイトニング歯磨き粉には研磨剤が含まれているものもありますが、歯の表面を傷つける恐れがあるため避けるようにしてください。
また、発泡剤が含まれていると、泡立ちの良さで満足して磨けた気分になってしまいます。しっかり磨くためにも、発泡剤不使用、配合量が少ない製品を選ぶのがよいです。
歯の白さを保つ歯磨きの方法
歯磨きは正しい方法で、丁寧に磨くことが白さを保つためにも大切です。
以下の方法で歯磨きをしてみてください。
- 歯ブラシに何もつけずに歯列全体を磨く
- 歯ブラシに毛先3分の1程度の歯磨き粉をつけて1本ずつ丁寧に磨く
- 歯間ブラシ、フロスを使って歯と歯の間の汚れを取り除く
ポイントは強く磨かず、弱い力で細かく動かすことです。
ホワイトニング歯磨き粉と歯医者のホワイトニングの違い
市販のホワイトニング歯磨き粉と、歯医者で行うホワイトニングの最大の違いは、「歯を内部から白くできるかどうか?」です。
市販のホワイトニング歯磨き粉の効果
市販のホワイトニング歯磨き粉には「研磨剤」が含まれており、歯の着色汚れを落とす効果があります。
しかし、歯の表面に付着した着色汚れを除去するため、歯の内部までを白くする効果はありません。
また、ホワイトニング歯磨き粉に配合されている研磨剤によって、歯の表面を傷つけるリスクもあるので注意が必要です。
歯科治療のホワイトニングの効果
ホワイトニングに使用される薬剤には、「過酸化水素」が含まれています。これらが含まれている薬剤を歯の表面に塗ることで、歯に浸透していきます。
歯に浸透すると、歯自体の色を決めている「色素」が化学反応により分解され、歯を内部から白くできます。
また、歯科治療のホワイトニングでは、ホワイトニング薬剤を歯の表面に塗った後に光を当てます。これは色素を分解する化学反応が、光によって強まるためです。
当院で行ったホワイトニングの症例
税込22,000円(片顎)。自由診療となります。稀にしみることがあります。
関連記事:ホワイトニングの種類と費用
歯科医院のホワイトニング方法
歯科医院で受けられるホワイトニング方法には、以下の3つがあります。
- オフィスホワイトニング
- ホームホワイトニング
- デュアルホワイトニング
効果を実感したい期間や場所によって好きな方法を選べます。
オフィスホワイトニング
オフィスホワイトニングは、歯科医院で行うホワイトニングで最も一般的な方法です。専用のホワイトニング薬剤を使用するため濃度が高く、1回の施術で歯を白くする効果が期待できます。
ただし、後述するホームホワイトニングやデュアルホワイトニングに比べて、白さの持続時間は短いです。個人差はありますが、3ヶ月から半年程度で元の色に戻り始めることがあります。
ホームホワイトニング
ホームホワイトニングは自宅で手軽にできるホワイトニングの方法です。ホワイトニング薬剤と歯科医院で作製したマウスピースを歯に装着して歯を白くします。
歯が白くなるまで2週間〜1ヶ月かかりますが、白さの持続時間が長いメリットがあります。基本的に自分の好きなタイミングで行えるので、自宅で気軽にホワイトニングを行いたい方におすすめです。
デュアルホワイトニング
デュアルホワイトニングは前述した「オフィスホワイトニング」と、「ホームホワイトニング」を併用して行う方法です。1回の施術で白くなるオフィスホワイトニングを行った後に、ホームホワイトニングに切り替えることで、白さの持続時間が長くなります。
2つの長所を活かした方法なので、即効性と持続性に優れている方法です。治療効果が最も高いものの、費用は高くなります。
歯の白さを維持・黄ばみを予防する方法3選
費用をかけて白くした歯は、なるべく長く保ちたいですよね。ここでは、ホワイトニングで白くした歯を長く保つ方法を解説します。
ホワイトニングのリタッチ
ホワイトニングは、永続的に白さを保つ治療ではありません。オフィスホワイトニングは3〜6ヶ月程度、ホームホワイトニングは1年程度で徐々に色が戻ってきます。
そのため、白さを持続するためには、ホワイトニング効果がなくなり始めた時期に再度ホワイトニングをする必要があります。
食習慣・喫煙習慣の見直し
赤ワインやコーヒー、カレーライスなどの色の濃い飲食物は、歯の再着色に繋がってしまいます。また、喫煙によっても歯が黄色くなるので、着色の原因になるものを控えるだけでも予防になります。
もし摂取した場合は、摂取後すぐに歯磨きをして洗い流すのが効果的です。
歯科医院で定期的なメンテナンス
歯科医院で定期的なメンテナンスを受けることで、ステインなどの着色物が付着していない綺麗な環境を保てます。さらに、歯科医院でのクリーニングは虫歯や歯周病の予防、早期発見にもつながるため、定期的に行うことをおすすめします。
歯科医院のホワイトニングでも歯を白くできないケース
歯科治療のホワイトニングでも、以下のようなケースは歯を白くできません。
- テトラサイクリンで変色した歯
- 詰め物・被せ物・インプラントなどの人工物
テトラサイクリンで変色した歯
テトラサイクリンとは、さまざまな細菌感染症の治療で使用される抗生物質のことです。このテトラサイクリンによって変色した歯は、ホワイトニングを行ってもほとんど白くなりません。
テトラサイクリンで変色した歯を白くする場合は、セラミック治療を推奨します。
詰め物・被せ物・インプラントなどの人工物
詰め物や被せ物、インプラントなどの人工物は、ホワイトニングを行っても白くなりません。ホワイトニングで白くなるのは、天然の歯のみです。
この場合も、セラミック治療で詰め物や被せ物などをセラミック素材に替えることで白くできます。
まとめ
市販のホワイトニング歯磨き粉は、歯の表面の着色汚れを取ることができても、歯を根本的に白くすることはできません。
またホワイトニング歯磨き粉を使用すると、歯の表面を傷つけたり、知覚過敏を引き起こしたりするリスクがあります。
天然の歯以上の白さを手にいれたい場合は、歯科医院でホワイトニングを受けるのがおすすめです。
歯科医院で行うホワイトニングには、
- オフィスホワイトニング
- ホームホワイトニング
- デュアルホワイトニング
の3つの方法があり、患者様の生活スタイルや希望によって選択する必要があります。
当院では、患者様一人ひとりに適したホワイトニング方法で採用しています。新宿・初台周辺でホワイトニングができる歯科医院をお探しの方は、ぜひご相談ください。