神経を抜いた歯が痛いのはなぜ?放置するリスクと治療法

「神経を抜いた歯が痛い」と訴える方は少なくありません。

神経を抜いた歯の痛みを放置すると、さらに痛みが強くなり、最悪の場合歯を失ってしまいます。

当記事では、神経を抜いた歯が痛い理由と放置するリスクをご紹介しつつ、治療法も解説します。

「神経を抜いた歯がなんで痛いの?」「痛みをどうにかしたい」と悩んでいる方はご覧ください。

神経を抜いた歯が痛いケース

神経を抜いた歯が痛いケースは、主に以下の3つがあります。

  • 食事や噛み合わせた時に痛い
  • 歯ぐきが腫れて痛い
  • 上記に当てはまらない痛みや違和感

各痛みの種類や程度は、ズキンとした痛みやズーンとした鈍い痛みなどさまざまです。

治療後の一時的な炎症である可能性もありますが、歯科にて専門的な治療が必要なケースもあります。

そのため、痛みの要因を判別するには、歯科医院にて検査を受けることが必要です。

神経を抜いた歯が痛い5つの理由

ここでは、神経を抜いた歯が痛い5つの理由をご紹介します。

症状や痛みの種類についても解説していますので、現在の歯の状態と照らし合わせてください。

1.歯の根に膿が溜まっている

神経を抜いた歯が痛い理由に、歯の根の先に膿が溜まっていることが挙げられます。

膿が大きくなるにつれて歯ぐきが腫れやすく、食事や噛み合わせた時に痛みを感じるようになります。

膿が溜まる要因は以下のとおりです。

  • 取り除くはずだった歯の神経が残っている
  • 歯の神経を取り除いた部分の洗浄・消毒が不十分
  • 歯と詰め物にすき間がある

これらの要因によって、細菌が繁殖して膿となり、痛みが出現します。

根管治療は難易度の高い治療であるため、再治療を必要とする方もいらっしゃいます。

なお、歯科医院の設備や技術によって、根管治療の精度の高さが大きく異なるため、歯科医院選びは重要です。

2.歯根膜が一時的な炎症を起こしている

歯の根の周りを覆っている歯根膜が一時的に炎症を起こすと、痛みを生じるケースがあります。

この炎症は、根管治療の際に、治療器具が歯の神経や周辺の組織に触れたことによって起きるものです。

一時的な炎症による痛みは、神経を抜く治療をしてから、2~3日ほどで自然に落ち着いていきます。

2~3日で落ち着かない痛みであれば、一時的な炎症ではないため、歯科医院への受診をしましょう。

3.歯にひび・割れがある

食事や噛み合わせた時にズキンとした強い痛みが生じる場合、歯にひび・割れがある可能性があります。

神経を抜いた歯はもろくなっているため、噛む力が強すぎると、ひび・割れが起きやすいです。

また、その部位から細菌が侵入すると、炎症を引き起こし、腫れや痛みが生じるケースもあります。

4.噛み合わせが合っていない

歯の神経を抜いた歯は、詰め物や被せ物をして噛み合わせを整える治療をします。

しかし、詰め物や被せ物が適していないと、何となく違和感を生じることがあります。

さらに、噛み合わせが合っていないと、歯に偏った力が加わるため、歯根膜に炎症を引き起こすことも。

歯根膜の炎症による痛みは、食事や噛み合わせた時に生じやすいです。

5.歯周病が進行している

歯の神経を抜いた後の痛みには、歯周病の進行も挙げられます。

歯周病とは、歯と歯ぐきの間から細菌が侵入し、歯ぐきに炎症を起こす病気です。

歯周病の症状は以下があります。

  • 歯肉の赤い腫れ
  • 歯ぐきから出血がある
  • 歯ぐきが伸びてきた
  • 口臭が強い
  • 起床時に口の中がねばねばする

歯周病の初期は痛みがないことがほとんどで、かなり進行してから痛みが出現するのが特徴です。

そのままにしておくと歯がグラグラし、抜け落ちるリスクが高まります。

そのため、痛みがある時はなるべく早く歯科受診し、治療を受ける必要があります。

「神経を抜いた歯が痛い」状態を放置するリスク

治療による一時的な歯根膜の痛み以外は、自然に治ることはありません。

放置するとさまざまなリスクを引き起こします。

  • 炎症が悪化する
  • 歯周病が悪化する
  • 痛みがさらに強くなる
  • 日常生活に影響を及ぼす
  • 歯を失いやすい

現在生じている歯の痛みも辛いですが、放置するとさらに悪化し痛みがどんどん強くなっていきます。

すると、痛みや痛みによるストレスによって、日常生活に影響を及ぼす可能性があります。

さらに、歯を失うリスクもあるため、歯科医院にて適切な治療を受けることが必要です。

神経を抜いた歯が痛い時の治療法

神経を抜いた歯の痛みは、要因によって治療法が異なります。

治療法を各要因とともに解説します。

1.根管治療

歯の根の先に膿が溜まっている場合は、根管治療のやり直しが必要です。

再度根管治療を受ける際は、以下の設備が整っているかを確認しましょう。

  • マイクロスコープ
  • ラバーダム防湿
  • 徹底的な洗浄・消毒

それぞれ詳しく解説します。

マイクロスコープ

歯の神経はとても細く複雑な構造で、暗い箇所にあるため、肉眼による治療だけでは取り除けない可能性が高いです。

そのため、肉眼の視野の20倍まで拡大できてライトで明るく照らせる、マイクロスコープを用いた根管治療ができる歯科医院を選ぶと、精度の高い治療を受けられます。

マイクロスコープはすべての歯科医院が備えている機器ではありませんので、事前にホームページから確認しましょう。

ラバーダム防湿

ラバーダム防湿とは、治療する歯に唾液が入らないように、治療する歯以外の口の中をラバーダム防湿で覆う方法です。

唾液には細菌が含まれます。根管治療の箇所に唾液が入ると、細菌感染を引き起こすため根管治療のやり直しが必要なるリスクが高まります。

ラバーダム防湿は、清潔な治療が受けられるメリットがありますが、手間がかかるため導入していない歯科医院が多いのが現状です。

ラバーダム防湿を取り入れている歯科医院を選ぶと、感染リスクが低い治療を受けられるため安心です。

徹底的な洗浄・消毒

根管治療では、ヤスリのような器具で根管内の汚れを削ります。

この削りカスを適切に処理しないと、細菌感染を引き起こすリスクが高まるため、注意が必要です。

削りカスは、「EDTA」や「次亜塩素酸ナトリウム」という薬剤を用いると溶かすことができ、清潔を保てます。

根管治療において、徹底的な洗浄・消毒ができるかも確認しましょう。

2.歯根端切除術

歯根端切除術とは、歯の根にある感染部分の先端を除去する治療法です。

この治療法は、感染部位の歯肉を切って開き、感染部分の先端を切除し、MTAセメントという素材を詰めます。

根管治療での治癒が見込めない場合や、根管治療が向かない場合に、治療の選択肢として挙げられます。

歯根端切除術は、歯を抜くことが回避できるメリットがあります。

ただし、歯の根が短かったり、歯周病がかなり進行していたりすると、この治療ができません。

3.割れた歯の部位を取り除く

歯が割れている場合、その部位を取り除く治療をします。

歯が残せるか抜歯が必要かは、割れている部位によって異なります。

歯が残せる場合、割れた箇所を取り除いた後に、詰め物や被せ物をします。

抜歯が必要な場合、抜歯した後に義歯を作ったり、インプラント治療をしたりします。

4.噛み合わせの調整

噛み合わせが合っていないことによる痛みや違和感の場合は、詰め物や被せ物を調整します。

高さが合っていない場合は、少し調整すると噛み合わせが改善します。

5.歯周病治療

歯周病がある場合は、歯周病治療が必要です。

歯周病は歯の周りの組織を破壊していく病気で、進行すると歯が支えきれなくなり、歯を失う原因の第1位といわれています。

痛みが出現した歯周病はかなり進行している状態であり、速やかな治療が必要です。

なお、一度歯周病によって破壊された組織は、自然にもとの状態に戻ることはありません。

しかし、歯周組織再生療法」を取り入れている歯科医院であれば、組織を再生できる可能性があります。

神経を抜いた歯が痛いとお悩みの方へ

「神経を抜いた歯が痛い」とお悩みの方は、まずは歯科医院にて検査を受けましょう。

放置すると痛みは強くなる一方で、日常生活に影響を及ぼすことや歯を失うリスクが高まるため、歯科医院で診てもらう必要があります。

神経を抜いた歯が痛い理由は以下のとおりです。

  • 歯の根に膿が溜まっている
  • 歯根膜が一時的な炎症を起こしている
  • 歯にひび・割れがある
  • 噛み合わせが合っていない
  • 歯周病が進行している

どれも歯科医院にて検査できる内容であり、痛みの原因がわかります。

マイクロスコープを用いた検査ができる歯科医院ですと、肉眼では見えない細部の検査も可能です。

また、神経を抜いた歯に適切な対応ができる歯科医院を選ぶことも重要です。

根管治療の設備や歯周病治療の技術など、あらゆる原因に対して総合的な治療ができる歯科医院を選びましょう。

当院では「神経を抜いた歯が痛い」治療も可能

当院では、「神経を抜いた歯が痛い」という方の治療も可能です。

当院は適切な設備を備えており、技術力に長けた各専門家が、総合的な治療を提供します。

  • マイクロスコープや拡大鏡による精密検査
  • 精度の高い根管治療(マイクロスコープを導入・ラバーダム防湿を採用・徹底的な洗浄と消毒)
  • 歯根端切除術も可能
  • 義歯やインプラントの専門家
  • 重度の歯周病にも対応(歯周組織再生療法が可能)

また、神経を抜く治療をされた方は、虫歯がかなり進行した状態で、歯がボロボロであることが多い傾向にあります。

歯科医師にボロボロの見られたくなかったり、怒られるのが怖いと思ったりする中で、意を決して歯科医院で治療を受けられたかと思います。

しかし、歯医者で嫌な思いをした経験があると、「もうに行きたくない」という気持ちになるのではないでしょうか。

当院では、患者様に寄り添った治療を心がけております。

当院からのお約束

  • 優しく対応します、怒りません
  • お悩みの症状を丁寧にお伺いします
  • 治療費を明確にお伝えします
  • 歯を残す治療を最優先します
  • 痛みが苦手な方にも最大限配慮します

優しく話を伺いますので、まずは一度ご相談いただけますと幸いです。

岡歯科医院院長

「神経を抜いた歯が痛い」という方は、ご気軽に検査にお越しください。