奥歯のインプラントが難しい理由|注意点・メリットデメリットを解説
虫歯や歯周病などが原因で、奥歯を失ってしまった場合の治療法の1つが「インプラント治療」です。
奥歯のインプラント治療を行う前に、メリット・デメリットを知っておくことが重要です。当院で行ったインプラント治療の実例も交えてご説明しますので、参考にしてください。
目次
奥歯のインプラントが難しいと言われる理由
中には、「奥歯のインプラントは難しい」と聞いたことがある人もいるかもしれません。
※そもそも奥歯はどこまでを指す?
奥歯とは、一番奥の歯から4本目までを指します。
奥歯は、正確には「臼歯」と呼ばれ、臼歯はさらに奥の2本を大臼歯、手前の2本を小臼歯と分類しています。
※ちなみに、親知らずは基本的にはなくても良い歯なので、親知らずをインプラントをすることは原則ありません。
なぜ奥歯のインプラントが難しいかというと、嚙み合わせの調整が難しいことが挙げられます。
最大で60~70㎏の力が加わる奥歯は噛む力が非常に強く、調整がうまくできないと、以下のようなトラブルを招く可能性があります。
- あごが痛くなる
- 口が開きにくくなる
- インプラントの被せ物が破損する
また、奥歯は口を開けた時のスペースが小さく、手術器具が入りづらいということも、奥歯のインプラントが難しいと言われる理由です。
人によっては口の開ける大きさも異なるので、場合によっては奥歯のインプラント治療が難しいケースもあります。
奥歯だからインプラントが難しいというよりは、人によって歯の状態が異なることでケースによっては困難になるということですね。
奥歯のインプラント治療の事例
「奥歯のインプラント治療は難しい」とお伝えしましたが、治療前に精密な検査を行ったうえで適切な治療計画を立てれば、奥歯のインプラント治療を行える可能性が高くなります。
実際に、当院(岡歯科医院)では奥歯のインプラント治療にも対応しております。
岡歯科医院のインプラント治療
- インプラント専門医が担当
- CTを用いた精密な検査診断
- 安全装置で人的ミスを排除
- 骨造成などの治療技術により、難症例にも対応
それでは、当院で実際に奥歯をインプラント治療した人の事例を紹介します。
ご相談内容 | 「欠損により食事がしづらい」とのことでご相談いただきました。 |
---|---|
診断結果 | 骨が大きく陥没しておりインプラントが入らないため、GBR(骨誘導再生)によって骨を増生させる必要があると診断しました。 |
治療内容 | チタンメッシュというフレームを使用したGBR(骨誘導再生)手術を行い、9カ月待ち、骨が増大したのちインプラントを埋入しました。 |
治療期間 | GBR(骨誘導再生)手術の後、骨が増大するまで9カ月待ち、その後インプラント治療を行い、経過観察に進みました。 |
費用 | ・GBR:100,000円(税別) ・インプラント1本:450,000円(税別)×3本 |
経過・現在 | 経過は非常に良好です。3カ月に1度メンテナンスに通っていただいています。 |
治療の利点 | ・違和感なく何でも咬むことができます。 ・歯肉の位置もそろえてあるので歯磨きがしやすくなります。 |
リスクと副作用 | ・腫れることがあります。 ・GBRを行っても骨が再生しない場合があります。 ・インプラント歯周炎になることがあります。 |
奥歯のインプラント治療を断られてしまったという方も、一度当院までご相談いただければと思います。
奥歯をインプラント治療するメリット
続いて、奥歯をインプラント治療するメリットについて具体的に解説します。
健康の歯を傷つけずに治療できる
インプラントは単独で治療できるので、健康の歯を傷つけずに治療できます。
ブリッジや入れ歯治療をする場合、周囲の歯を支えにすることで噛み合わせの負担がかかってしまいます。
一方、インプラントは人工歯根(人口歯を支えるネジ)を埋め込むことで、単独の歯として治療が可能です。
奥歯は噛み合わせが強くかかることから、インプラント治療をすれば周囲の歯に負担をかけないことは大きなメリットと言えるでしょう。
入れ歯やブリッジ治療より違和感や痛みが少ない
インプラント治療は、従来の入れ歯やブリッジ治療よりも違和感や痛みが少ないことも大きなメリットです。
入れ歯やブリッジの場合、残っている歯を支えとするため既存の歯にダメージを与えやすく、噛み合わせが合わないと違和感を覚えることも。
しかし、インプラントの場合はあごの骨と結合した土台の上に人口歯が乗るかたちになるので、強く噛んでも痛みや違和感を覚えることが少なく、通常の歯と比べても遜色がないのが特徴です。
見た目にも遜色がない(金属が見えない)
インプラントは固定部分はネジですが、歯肉の中に隠れてしまうため見た目は普通の歯とほとんど代わりがありません。
一方、入れ歯やブリッジ利用の場合は金具やバネが目立ち、人前でうまく笑えなかったりと日常生活に支障が出ることも。
奥歯なので目立ちにくいとはいえ、できれば見た目にも遜色がないようにしたいと思う人がほとんどではないでしょうか。
特に、奥歯といっても前歯に近い歯であれば、口を開いた時に目立ちやすいので、インプラントにするメリットは大きいと言えます。
かみ合わせのバランスが良い
噛み合わせは奥歯によって決まるため、インプラント治療を施すことでバランスよく整うというメリットもあります。
入れ歯やブリッジ治療だと、本来の歯の15~60%程度しか噛む力がないため、他の歯とのバランスが難しいのが正直なところです。
インプラント治療であれば、本来の歯と同じような噛み合わせを保てるため、バランスも整えられます。
噛み合わせが良いということは普通の歯があったときと変わらず食事を楽しめるので、食事をこれまで通り楽しみたいという人にもインプラント治療がおすすめと言えます。
奥歯をインプラント治療するデメリット
インプラント治療のメリットや特徴を紹介してきましたが、デメリットもある治療法です。
デメリットをあらかじめ理解したうえで、自分に合うかどうか判断してみてくださいね。
治療費が全額自己負担:1本40~50万円
インプラント治療の場合、基本的に治療費が全額自己負担になり高額なことがデメリットになります。
虫歯やブリッジ治療の場合、材質によって健康保険が適用されるので3割負担で済みます。
しかし、インプラントは原則自費診療となるため、健康保険が適用されません。
歯の状態によっては金額が多少異なりますが、1本あたりおよそ「40万~50万円」かかると考えておきましょう。
また、本数が増えるほど金額がかかるので、治療費を軽減するためにはブリッジと併用治療をするといった方法もあります。
治療期間が長い
インプラント治療の場合、治療期間が長いという特徴があります。
順調に治療が進んだ場合でも、インプラントを骨に埋め込んだあと、結合する期間も含めて最短3ヶ月ほどの治療期間が必要になります。
歯の状態によっては、骨を増やすといった治療を施す場合、半年から1年といった期間がかかる可能性も。
入れ歯やブリッジの治療期間と比べると長くなってしまうので、時間がかけられない人には向かないかもしれません。
定期メンテナンスが必要
インプラント治療は、奥歯に関わらず治療後のメンテナンスが重要になります。
メンテナンスを受けない選択もできますが、チェックを怠るとさまざまなトラブルが発生することも少なくありません。
インプラントはあくまで人工物のため、身体に異常が起きていないか、インプラントの状態に問題がないかなどのメンテナンス(チェック)が必要です。
このメンテナンスは半年に1回、埋め込み手術が終わった後も継続的に通わなければなりません。
インプラント以外の奥歯の治療法は?
この章では、インプラント以外で失った奥歯を治療する方法である「入れ歯治療」と「ブリッジ治療」について具体的に解説します。
どの治療法にもメリット・デメリットがあるので、自分のニーズに合う方法を納得して選べるように特徴を理解しておきましょう。
入れ歯治療
入れ歯治療とは、失った奥歯の部分に人口の歯を補う治療法のことです。
インプラントのような土台がないので、残っている歯にバネをかけるかたちで人工歯を支えます。
材質によっては保険診療も可能なので、安く済むのがメリットと言えるでしょう。
また、どの位置の歯でも対応しやすく、取り外して磨けるのでメンテナンスも簡単です。
一方で、入れ歯では本来の歯の15~30%程度しか噛めないことや、入れ歯が合わないと痛みを伴うといったデメリットも起きやすいことも。
長期的に使用すると、あごの骨が痩せて見た目にも口の周りに変化出るため、嫌煙する人もいる治療法です。
ブリッジ治療
ブリッジ治療とは、失った歯の隣にある歯を土台に、人工歯を橋(ブリッジ)のようにかける治療法です。
ブリッジ治療をするには、治療したい歯の両方の歯が健康である必要があるため、一番奥の歯の治療はできません。
メリットとしては、材質によっては保険が適用されることや、入れ歯よりも安定しやすく噛み心地も良いことが挙げられます。
しかし、土台となる健康の歯に大きなダメージを与えることがデメリットとして挙げられます。
ブリッジをかけるためには、土台となる歯を大きく削る必要があるからです。
また、土台となる歯に力が集中するため、痛みを伴うこともあります。
奥歯のインプラント治療は高額だがメリットが多い治療法:まとめ
今回は、奥歯のインプラント治療の特徴やメリット・デメリットについて解説しました。
奥歯のインプラント治療をするメリットは、見た目にも噛み合わせにも違和感がないことです。
通常の歯と変わらず生活ができるので、言わなければ他人に気づかれることもほとんどありません。
一方で、奥歯のインプラント治療は難易度が高く、一定の治療技術が求められます。
中には「骨が足りないからできない」などの理由で断られてしまうケースも少なくありません。
たしかに骨の厚みがないとインプラント治療は行えませんが、骨を作る処置をすることでインプラント治療ができる可能性もあります。
岡歯科医院のインプラント治療は、骨が足りない等の難症例にも対応できる可能性があるので、お気軽にご相談ください。