前歯の穴は「虫歯」のサイン?原因と治療法を解説!
当院では「前歯の穴」について患者さまからご相談をいただくことがあります。「これって虫歯?」「治療は必要?」と心配される方も多いかと思います。
結論からいうと、前歯に穴が開く原因の多くが「虫歯」によるものです。放置してしまうと悪化する恐れがあるため、早急に歯科医院の受診をおすすめします。
本記事では、前歯に穴が開く原因や治療法、虫歯の予防法などをご紹介します。
前歯に穴が開く原因は「虫歯」
冒頭でもお伝えした通り、前歯に穴が開く原因の多くが「虫歯」によるものです。歯の裏側にできる「盲孔」といって、元からある穴の可能性もありますが、虫歯か盲孔かの自己判断は難しいです。
虫歯であれば、放置してしまうと症状が進行して重症化してしまいます。最悪の場合、「抜歯」や「神経を抜く」などの処置が必要になります。前歯の抜歯後は、ブリッジ・入れ歯・インプラントから治療を選択しなければなりません。
そのため、「痛みもないし大丈夫」と放置せず、前歯に穴が開いていたらすぐに歯科医院で診てもらうのが大切です。
虫歯で前歯に穴が開いた時の治療法
前歯に穴が開く原因の多くが、「虫歯」によるものだとお伝えしてきました。では、虫歯によって前歯に穴が開いてしまったとき、どのような治療法があるのでしょうか。ここでは、下記の4つの治療法をご紹介します。
コンポジットレジンで修復(詰め物)
虫歯が初期段階で前歯の穴が小さい場合には、「コンポジットレジン」で修復します。コンポジットレジンとは、プラスチック製の白い詰め物のことです。
コンポジットレジンは、保険適用で費用を抑えて治療できるというメリットがあります。ただし、コンポジットレジンは変色しやすく、欠けやすいというデメリットがあります。
また、時間が経つにつれて徐々に磨耗していくため、その隙間から虫歯が発生する可能性もあります。そのため、二次虫歯の発生を防ぐためにも、歯科医院での定期的なメンテナンスが大切です。
被せ物を取り付ける(保険適用)
前歯の穴が比較的大きく、削った歯質の量が多い場合には被せ物を取り付けます。被せ物の土台は金属で、表面はレジン(プラスチック)素材で製作したレジン前装冠という保険適用の被せ物が選択可能です。しかし、レジン前装冠は時間の経過とともに劣化しやすい・変色しやすいというデメリットがあります。
ダイレクトボンディング
ダイレクトボンディングは虫歯の箇所だけを削り、多種類のレジンを用いて歯の形や色合いを再現する方法です。この方法では、セラミックの被せ物や詰め物よりも、削る量が少ないというメリットがあります。
ダイレクトボンディングはセラミック粒子が含まれているため、通常のレジンに比べてはるかに強度も増しています。さらに、審美治療の中では「比較的費用が安い」という点も魅力の一つです。
ただし、ダイレクトボンディングは、歯科医師の技量で治療精度が変わる難しい治療法です。豊富な実績があり、信頼できる歯科医院で治療を受けることをおすすめします。
セラミック
前述した保険適用の被せ物や詰め物は、劣化しやすく、変色しやすいデメリットがありました。そのデメリットを解決してくれるのが、「セラミック」治療です。
セラミック治療は、陶器と同じ素材のものが使われており、以下のような特徴があります。
- 審美性に優れている
- 金属アレルギーの心配がない
- 変色、劣化しにくい
つまりセラミックは、非常に安全性が高く、本物の歯に近い仕上がりになる治療法であると言えます。
関連記事:セラミック治療のメリット・デメリット
歯科医師がセラミックを勧める理由
前述したようにセラミックには、さまざまなメリットがあります。保険適用の治療は費用が安いといったメリットがありますが、最終的に保険適用の詰め物や被せ物から、セラミックに入れ替える方も多いです。
多くの歯科医師もおすすめしているセラミックですが、実際どのようなメリットがあるのか詳しく解説します。
審美性が高い
セラミックの最も大きなメリットと言えるのが、「審美性の高さ」です。実際に、審美性に優れている点でセラミックを選ぶ方も多くいらっしゃいます。
セラミックは患者様の歯の色に合わせて色の調整ができるため、天然の歯と見分けがつかないほど綺麗な仕上がりになります。
レジン素材は時間が経つにつれて変色し、目立っていきますが、セラミックではそのような心配は必要ありません。周囲の人に前歯の治療痕が気づかれず、人前でも自信を持って歯を見せられます。
二次虫歯になりにくい
保険適用の治療で使用される詰め物や被せ物は、歯との間に隙間が生じることがあります。その隙間から虫歯菌が侵入し、二次虫歯につながるのです。
しかし、セラミックは歯との接合性が高いため、隙間が生まれにくいメリットがあります。また、セラミック素材は表面がツルツルとしており、歯垢が付きにくい素材です。このような点から、セラミックは二次虫歯になりにくいと言えます。
金属アレルギーの方でも使用できる
金属が使われている素材の場合、金属の溶け出しで口内炎や水ぶくれなどが起こり、金属アレルギーになるケースがあります。
その点において、セラミックは金属を一切使用していないため、金属アレルギーの方でも使用できる素材です。また、素材が溶け出すことがないため、安全かつ安心して治療を受けられます。
変色、劣化しにくい
保険適用で使用されるレジンは、時間が経つにつれて変色・劣化する素材です。劣化すると、隙間や段差が生じ、そこから二次虫歯につながります。
その点セラミックは、長期間の使用でも変色・劣化しにくい素材です。ご家庭にある陶器を思い出してください。毎日使用しても洗って掃除すれば、変色・劣化していないかと思います。
このようにセラミックは陶器の素材を使用しているため、外部の影響を受けにくく、劣化・変色しないメリットがあるのです。
前歯に穴が開かないように予防する方法
前歯に穴が開くということは、ほとんどの場合で虫歯になっていると言えます。虫歯にならないようにするためには、日々のケアが大切です。ここでは、前歯に穴が開かないようにするためには、どのような習慣を身に付ければよいのかを解説します。
食後のブラッシング
前提として、毎日歯磨きをしていても虫歯になる可能性はあります。それは歯磨きだけでは磨ききれない箇所があるからです。
しかし、少しでも虫歯のリスクを下げるためにも、食後に歯磨きを行うのは大切です。正しい歯磨きの方法は、一人ひとり異なるため、一度歯科医師の指導を受けることをおすすめします。
唾液の量を減らさない
虫歯にならないためには、唾液の量を減らさないことが大切です。唾液には、自浄作用や殺菌作用があります。
お口の中の水分量が少ない方は、唾液の分泌量が減ってしまいます。噛むことで唾液の分泌が促進される効果があるため、食事の際はよく噛むように心がけるのが大切です。
規則正しい食生活
不規則な食生活をしていると、お口の中に食べ物がある状態が続き、虫歯菌が酸を作り出しやすい環境にします。酸によって歯の表面が溶かされ、唾液の自浄作用・殺菌作用が追いつかず、虫歯になってしまいます。
虫歯にならないためにも、間食などをできるだけ控えるのが大切です。
歯科医院で定期的なメンテナンスを行う
虫歯予防には、定期的に歯科医院を受診するのが有効です。歯の健康診断で病気の早期発見、自分では落としきれなかった汚れの除去など、受診するメリットは多くあります。
健康な歯を守るためにも、歯科医院で定期的なメンテナンスを行うのが大切です。
よくある質問
ここでは、前歯に穴が開くことに関して、よくある質問に答えます。
前歯に穴が開いているのですが、原因は何ですか?
前歯に穴が開く原因の多くが「虫歯」によるものです。盲孔といって元から穴が開いている方もいらっしゃいますが、判別が難しいかと思います。そのため、歯科医師に一度診てもらうことをおすすめします。
前歯に穴が開いたときの治療法はどのようなものがありますか?
前歯に穴が空いたときの治療には、保険適用と保険適用外のものがあります。保険適用の治療では、「プラスチック素材の詰め物」や「被せ物」、保険適用外であれば「ダイレクトボンディング」や「セラミック」などが挙げられます。歯科医師がおすすめするのは、「変色・劣化しにくい」「審美性に優れている」「二次虫歯のリスクが低い」といったメリットがあるセラミックです。
前歯に穴が開いているのを見つけたら、まずは何をしたらいい?
まずは歯科医院で専門家に診てもらってください。虫歯であった場合、治療が遅れると症状が進行してしまう恐れがあります。症状が進行して重症化すると、抜歯や神経の除去などを行わなければなりません。
まとめ
本記事では前歯に穴が開く原因や、その治療法などを解説してきました。
前歯に穴が開く原因のほとんどが、「虫歯」によるものです。虫歯の場合、放置すると重症化して「抜歯」や「神経を抜く」などの重大な処置が必要になる可能性があります。
虫歯ではない可能性も少なからずありますが、ご自身での判断が難しいため、歯科医院の受診をおすすめします。
前歯の治療法に関しては、以下の治療が挙げられます。
- コンポジットレジン
- 被せ物を取り付ける
- ダイレクトボンディング
- セラミック
中でもセラミックは、「審美性に優れている」「変色・劣化しにくい」「二次虫歯になりにくい」などのメリットがあるのでおすすめです。
当院でもセラミック治療を行っています。「歯をなるべく削らない」「神経はなるべく残す」の治療方針のもと、患者様ファーストで医療を提供します。どのようなお悩みでも、まずはお気軽にご相談ください。