ブリッジからインプラントに変更できる?注意点・難しいケースを解説

岡歯科医院 院長

当院では「ブリッジからインプラントに変更したい」というご相談を多くいただきます。

この記事では、「ブリッジからインプラントへの変更は可能なのか?」「変更することで得られるメリットとデメリット」についてご説明します。

【結論】ブリッジからインプラントへの変更は可能

結論からですが、基本的にブリッジからインプラントへの変更は可能です。実際に、ブリッジ治療を受けたものの、審美性や耐久性の問題からインプラントに変更される人は多くいます。

治療の流れとして、まず行うのは患者さんの健康状態や口腔内の状態、骨の量や質がインプラントに適しているかの診察です。特に問題がなければ、既存のブリッジを取り外し、欠損した元の部分にインプラントを入れていきます。

ただし、ブリッジ治療は失った歯の両隣を削り、橋渡しをするように被せ物をしているため、ブリッジを取り外すと削られた歯が露出してしまいます。そのため、削った両隣の歯に関しても、セラミック等の被せ物でカバーする治療が必要です。

ブリッジからインプラントへの変更の流れ

①ブリッジ部分の診察
②ブリッジを取り外す
③インプラントを埋める
④両隣の歯の被せ物を作る

無事にインプラントへの変更が完了すれば、天然の歯と同等レベルの機能性を取り戻すことができます。

ブリッジからインプラントへの変更が難しいケースもある

ブリッジからインプラントへの変更は多くの場合で可能ですが、残念ながらどのような人でも行えるわけではありません。ここからは、ブリッジからインプラントへの変更が難しいケースを下記の3つに分けてお伝えしていきます。

  • 骨の量が少ない・痩せている
  • ブリッジ部分の歯周病が進行している
  • 糖尿病や免疫系の疾患を持っている

それぞれ見ていきましょう。

1.骨の量が少ない・痩せている

まず、ブリッジからインプラントへの変更が難しいのは、「骨の量が少ない・痩せている」人です。インプラント治療では、インプラントを支えるために十分な骨の量が必須となります。

顎の骨が痩せていたり、骨の量が不足している場合、インプラントを埋め込むための基盤が不安定なため、治療が失敗するリスクが高く治療ができません。

※しかし、骨を増やすための治療(骨移植や骨造成手術)を行えば、インプラント治療を行えることがあります。

2.ブリッジ部分の歯周病が進行している

ブリッジ部分の歯周病が進行している状態も、ブリッジからインプラントへの変更を難しくする重要な要因の一つです。

インプラント治療を成功させるためには、周囲の歯や歯肉、そして骨が健康であることが重要です。ブリッジを支えている歯やその周囲の歯肉に進行した歯周病がある場合、インプラント周囲炎を引き起こすリスクを高め、インプラントの固定に悪影響を及ぼす可能性があります。

そのため、インプラント治療に先立って、歯周病の治療と口腔内環境の改善が必要不可欠です。インプラントへの変更を検討している人は、歯科医師による適切な診断と治療計画を立てる必要があります。

3.糖尿病や免疫系の疾患を持っている

高血糖の状態は傷の治りを遅らせ、インプラント周囲炎などのリスクが高まります。また、免疫系の疾患がある場合も、身体が外来物質であるインプラントを受け入れる能力が低下している可能性があるため、治療にはより慎重な配慮が必要となります。

そのため、インプラントへの変更を検討している場合は、事前に担当医師や歯科医師と十分に相談し、疾患のコントロールができているか判断してもらうことが重要です。

血糖コントロールが維持されている糖尿病患者や、免疫系の疾患が適切に管理されている場合にはインプラント治療が可能な場合もあります。もちろん、治療前後には特に慎重な口腔衛生の維持が求められ、定期的な経過観察が欠かせません。

ブリッジからインプラントに変更するメリット

インプラントは現代の歯科治療の中で最も自然な見た目と機能を持ち、寿命も半永久的な長さとして高い評価を受けています。ブリッジからインプラントへ変更した場合も多くのメリットを得ることができます。

ここからは、ブリッジからインプラントへ変更することで得られる具体的なメリットについて解説します。

1.口元の見た目が美しくなる

ブリッジからインプラントに変更する最大のメリットの一つは、審美性(見た目の美しさ)が大幅に向上することです。

ブリッジは時間が経つにつれて歯茎が変色したり、歯茎が後退したりすることで不自然な隙間が生じる可能性もあります。

一方で、インプラントは自立して顎骨に直接固定されるため、本物の歯と同じような見た目を実現します。さらに、インプラント冠は自然な歯の色や形状に合わせてカスタマイズできるため、周囲の歯と調和の取れたバランスの良い仕上がりになります。

そのため、ブリッジを長期間使用していて「歯茎の変色が気になってきた」「もっと自然な見た目の歯を取り戻したい」といった人には大きなメリットとなります。

2.周りの健康な歯に掛かる負担を軽減できる

ブリッジからインプラントへの変更によるメリットは、歯にかかる負担を軽減できる点も挙げられます。ブリッジ治療は、失われた歯の両隣にある健康な歯を削り、その上にブリッジを固定する方法です。

この方法は、支えとなる健康な歯に大きなストレスをかけ、長期的には歯の寿命を短くする可能性が考えられます。加えて、ブリッジを支える歯への過度の負担は、歯の移動や歯周病のリスクを高める原因となることも。

対照的に、インプラント治療は、隣接する健康な歯を削る必要がありません。また、顎骨に直接結合することで、自然歯のように機能し、噛む力を均等に分散させられるので周囲の歯への負担が大幅に軽減できます。

インプラント治療は、ブリッジとは異なり歯を失った部位のみを対象とするため、口内全体の健康とバランスを維持しやすいです。ブリッジで失った歯を補っていた場合、インプラントに変更することでより歯全体の寿命を延ばすことも可能です。

3.長期間に渡って使用できる

インプラントとブリッジで比較した場合、インプラントは耐久性と長寿命で特に優れています。

ブリッジの寿命は一般的に7年から10年程度とされていますが、支えとなる歯や歯周病の発生が大きく影響します。

時間が経つにつれ、ブリッジを支える歯に問題が生じたり、ブリッジ下の歯茎が後退して隙間から食べ物が入り込みやすくなったりと、結果として再治療しなければならない可能性が高いです。

一方で、インプラントは適切なケアと定期的なメンテナンスが行われていれば、20年以上の長期間にわたっても問題なく使用できるとの報告もあります。インプラントは周囲の歯を傷つけることなく自然な歯の根のように機能するため、長期にわたって安定して使用できるのです。

インプラントの耐久性は、長期的な観点から見てもコストパフォーマンスに優れています。一度の投資で長年にわたって使用できるという点に魅力を感じ、ブリッジからインプラントへ変更を希望する方も多いです。

ブリッジからインプラントに変更するデメリット

ブリッジからインプラントへの変更は、多くのメリットがありますが人によってはデメリットとなる問題があることも事実です。変更する際には、考えられるデメリットについても踏まえておきましょう。

1.治療費が高い

インプラントへの変更を考えた際、やはり気になるのは治療費の高さです。初期費用はブリッジ治療よりも高額になることが一般的で、これが決断を迷わせる要因となります。

とはいえ、インプラントは耐久性が高く、長い目で見ればコストパフォーマンスに優れる選択肢と言えます。費用の面で不安を感じる人も、長期的なメリットを考慮に入れて判断することが大切です。

2.治療期間が長く掛かる

インプラント治療はブリッジと比べて長期間を要します。これは、インプラントが顎骨にしっかり結合するまでに時間が必要なためです。加えて、インプラントの埋め込みから骨との結合、そして最終的な冠の装着まで、様々な段階が含まれます。

とはいえ、治療に時間が掛かる分、自然な見た目と噛み合わせ、快適さを長期にわたって得られるようになります。インプラントは一度の治療で長く利用できるため、待つ価値は十分にあるとも言えます。

3.外科手術を伴う

インプラント治療には外科手術が伴います。これは、失われた歯の部分にインプラントを顎骨に直接埋め込む必要があるためです。

しかし、手術に不安や心配を感じる必要はほとんどありません。現代の歯科技術は非常に進歩しており、手術は局所麻酔下で行われ、痛みを最小限に抑えることができます。また、手術後の回復期間もしっかりと経過の観察を行うため、多くの患者さんが安心して治療を受けています。

ブリッジからインプラントへ変更する際にかかる費用について

ブリッジからインプラントへの変更を検討する際には、治療段階によって費用が変動することに注意しましょう。

①ブリッジ治療中に、インプラントへ変更する場合

治療がどの段階にあるかにより、費用は大きく異なります。

土台作成や型取りがすでに行われている場合、これらの工程にかかった費用は支払わなければなりません。

また、技工所に作業が発注されていれば、その費用も考慮する必要があります。その上で、インプラント治療の費用が加わってきます。

②ブリッジ治療後に、インプラントへ変更する場合

ブリッジ治療にかかった全費用に加え、ブリッジの除去とインプラント治療の費用が必要になります。

さらに、土台となっていた歯の再処置や新しい被せ物の製作費用も発生する場合があります。

ブリッジからインプラントへの変更に伴う費用は段階、お口の状態によって大きく異なります。どこの歯科医院でも検査・問診を行ってから費用を決定するため、まずは歯科医院へ相談しましょう。

>>インプラント治療の詳細はこちら

まとめ

今回は、ブリッジ治療からインプラント治療に変更することは可能なのか、といった点について解説をしました。ブリッジからインプラントの変更は多くの場合で問題なく可能です。

インプラントに変更することでブリッジでは得られなかった下記のようなメリットを得られます。

  • 本物の歯のような美しい見た目を手に入れられる
  • 歯に掛かる負担を軽減できるので、周囲の歯の寿命も伸ばせる
  • 耐久性に優れているので、長期間に渡って使用できる

ただし、インプラントを問題なく使用していくためには確かな技術を持った歯科医師による治療が欠かせません。特に、はじめてインプラントをいれる人にとってはブリッジにする時以上に不安を感じることもあるでしょう。

当院では、充実した医療設備はもちろん、経験が豊富なインプラント専門医が治療を行います。また、なるべく不安をなくし、安心して治療を受けられるようにカウンセリング相談も行っています。

他院では断られてしまったような難症例にも対応しておりますので、どんなお悩みでもぜひお気軽にご相談ください。