矯正の費用はどの歯科医院でも同じような金額ですか?
新宿初台の歯医者さん、岡歯科医院です。
今回のテーマは「矯正の費用のシステム」です。
虫歯の治療を受けた際、歯科医院によって費用の差を感じた人は少ないと思います。
それもそのはず、保険診療というのは費用があらかじめ決められており、
費用に違いがあるとすれば虫歯の進行度や処置する人工物の素材などによるものです。
では、矯正の治療費も同様で費用に大きな差はないのでしょうか。
自由診療の仕組み
結論からいうと矯正の費用は歯科医院によって異なり、これは矯正が自由診療であることが大きな理由です。
冒頭で例に挙げた虫歯治療は保険診療ですが、矯正は自由診療であり、
自由診療の費用は歯科医院が自由に設定できる決まりになっています。
ですから極端な話、ある歯科医院が50万円に設定していても、
別のある歯科医院が100万円に設定することが可能なのが自由診療のシステムです。
そのため、矯正の費用…というより、自由診療の費用は歯科医院によって異なります。
矯正の方法は一つではない
矯正の方法は一つではありません。もっとも、「矯正装置を使って歯を動かす」という仕組みは同じですが、
そこで使用する矯正装置には複数の種類があり、それも歯科医院によって費用が異なる理由です。
たとえば、ある歯科医院ではマウスピース矯正に対応しているとします。
また、別のある歯科医院では裏側矯正に対応しているとします。
この場合、マウスピース矯正と裏側矯正の違いが費用の差を生むことになるのです。
つまり、矯正の費用は使用する矯正装置によって費用が異なるということになります。
費用の提示の問題
次の2つの歯科医院を比較した場合、どちらの歯科医院が矯正の費用が安いと判断できるでしょうか。
- A:表側矯正で費用50万円
- B:表側矯正で費用60万円
どちらも同じ矯正方法ですから、安いのは明らかにAの歯科医院に思えるでしょう。
しかし、このように一目で金額を判断してしまうのは危険であり、
なぜなら矯正の費用にはさまざまな内訳があるからです。
たとえば、Aの歯科医院の費用が単純な矯正治療自体の費用を提示していて、
別途検査費・保定装置費・調整費などが別途発生する可能性も否定できません。
矯正の費用を判断する場合、「保定期間も含めた矯正トータルの費用」で考える必要があるのです。
支払いシステムによる違い
矯正の費用は高額なため、支払いにおいて2つのシステムが採用されています。
総額制
最初にトータルの費用を支払う。治療期間が長引いても追加費用は発生しないが、
一方で短縮された場合も返金されない
処置別支払い制
通院するたびに費用を支払う。システム上、当然治療期間が長ければ費用は高くなり、
一方で短ければ費用は安くなる
この2つのシステムのどちらを採用しているかは歯科医院によって異なり、
またどちらが安くなるかは実際の治療によって異なります。
総額制は追加費用が発生しないため、治療が長引いた場合は処置別支払い制に比べて安くなります。
一方、治療が想定よりも短期間で終わった場合、総額制では返金されないため、処置別支払い制の方が安くなります。
このように、費用の支払いシステムと治療期間の違いによっても、矯正の費用に差が出るのです。
まとめ
いかがでしたか?
最後に、矯正の費用のシステムについてまとめます。
1. 自由診療の仕組み :自由診療の費用は歯科医院が自由に設定することができる
2. 矯正の方法は一つではない :使用する矯正装置によって費用が異なる
3. 症例の違い :症例が軽ければ部分矯正やマウスピース矯正など、比較的安く矯正することができる
4. 費用の提示の問題 :費用を比較するためには、お互いトータルの費用で比較しなければならない
5. 支払いシステムによる違い :総額制と処置別支払い制は、治療期間によってどちらが安くなるか異なる
これら5つのことから、矯正の費用のシステムについて分かります。
まとめると、矯正の費用は歯科医院が自由に設定できますし、矯正方法も一つだけではありません。
そのため、安い方法で矯正する方法もありますが、それができるかどうかは症例次第です。
また、提示している費用がトータルのものかどうかも重要なポイントですし、
支払いシステムの違いは治療期間によってどちらも高くなり、またどちらも安くなる可能性があります。
これらのことが関係して、矯正の費用は歯科医院によって異なるのです。